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「キム、あなたには、これらを読んだ上で後日小テストを受けてもらいます。変身術の基礎中の基礎が書かれている本ですから、難しくはないはずです。テストの問題はこの中から出しますので、しっかり予習を怠らないように。いいですね？」──とかなんとか。
『鬼過ぎる…』
それにしても、とAは辺りを見回した。この山のようにある書棚の中から、ピンポイントでどう目的の本を探せばよいのか。
スマホもPCもない。室内に検索システムに代わるようなものも見当たらない。
その上不運なことに、司書のマダム・ピンスは不在だった。本のありかについて他に訊けるような知り合いもいないAは、自力でこれらを見つけなければいけなかった。
それから小半時ほどかけて、どうにかこうにか、沢山の書棚の中から3冊を見つけ出すことが出来た。
残りは最後の一冊、「究極の魔術 ”動物もどき”とその実態」だ。
『あ、あった…！』
目的の本は、Aの背丈より少し上の書棚に陳列されていた。背表紙に箔押しの金文字でしっかりとタイトルが刻まれている。辞書並みに分厚い革張りのハードカバー3冊を積み上げ、両手で抱えていたAは、4冊目を取ろうと書棚に片手をつうと伸ばした。
が、すぐその手を引っ込めた。本の重さでバランスを崩し掛け、ゆらゆらと即席の本タワーが倒れそうになったからだ。
慌てて両手で抱え直して、もう一度、と思ったそのとき──
スッと指の長い細い手が背後から伸びて来て、Aの頭一つ分高い位置から、狙いのその本を取って行ってしまった。
えっ、と振り向くと、背の高い男子生徒──レイブンクローのローブを羽織っている──が脇目も振らずにその本を持って、背を向けて立ち去ろうとしているではないか。
Aは信じられない思いで、唖然とした。
『あ、あの…！』
思わず声が出た。
呼び止められたレイブンクロー生は、「ん？」と言いながら振り向く。
『あっ…、』
その面影には見覚えがあった。
入学式の日、女子生徒に囲まれていた「ウォヌヒョン」だ。
真正面で見る彼は、ドギョム達並みに背が高く、やはりイケメンだった。
端正な顔立ちに落ち着いた雰囲気を漂わせ、口をパクパクしているAを不思議そうに見ている。
「…なに？」
『あの…あの、その本…』
緊張しながら何とか答えると、
「…あ、もしかして、君も見たかった？」
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七瀬(プロフ) - あわさん» うわ〜ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜！！また遊びに来てくださいね。 (11月23日 13時) (
レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 私が求めてたのはこれだったんだ (11月11日 23時) (レス) @page7 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 翡翠さん» 良い意味に解釈していいのかわからないものの…見つけてくださってありがとうございます！ (11月11日 22時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - とんでもねえ作品見つけた (11月6日 0時) (レス) @page5 id: ffb83b80cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬 | 作成日時：2023年11月5日 21時
