SEVENTEENの問題児3 (ページ10)

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お手洗いに行くと言って、お寿司屋さんに行く前に観光がてら立ち寄ったGINZA SIX。

前科(※バンコクでの迷子＆ナンパ事件)があるせいで「ウロチョロしないでここに居て。絶対だよ？」と強く言い含められてしまい、過保護すぎでは･･･と思いつつもおとなしくトイレがある前の廊下で突っ立っていると。

「＜お一人ですか？＞」※日本語

とおもむろに声を掛けて来た男性がいて。

････普通、トイレの前で立ってたら誰かと待ち合わせてると思うんだけど････と胸中でセルフツッコミをしつつ、返す言葉がわからない。

こっちはサングラスしてるし、キャップも被ってるから、顔はわからないと思うんだけど････なんだろうこの人。
またナンパじゃありませんように、と祈る気持ちで俯く。

「＜ははっ、無視しないで。僕は怪しい者じゃないよ＞」

なぜか朗らかに笑われた。

手を掴まれないようにさりげなく壁を背にして後ろ手になり、ちらりと横目で見上げてみると、短髪の黒髪にモデルみたいな長身の男の人で、歳は････30歳前後かな。
ピアスやネックレスもして、ちょっと派手めでお洒落な恰好をしていた。

「＜僕はこの近くにある美容室で美容師をやってるんだけど、良かったらモデルになってくれないかなぁと思って。君の髪の毛、とっても綺麗だから＞」

私が韓国人だとは気づかないようで、日本語でなにかを言いながら、ゆっくり近づいて来る。

じりじりと距離を詰められた分避けてたのに、不意に手を伸して、

私の腰くらいまである髪の毛を一房、手に取ろうとして────

ぎょっとしたけど、あえなくその手が止まった。

JS「────僕の連れに、なにかご用ですか」※韓国語

いつの間にか戻って来たオッパが、その人の手首をやんわりと掴んで阻止した。寸前で。

『あ、オッパ、』

ホッとして仰ぎ見る私と、突然現れたオッパに驚いてる男の人。

一方のオッパはなぜかサングラスをしていなくて、秀麗なその顔ににっこり笑みを浮かべたかと思うと、表情を一変してぎろりとその人を睨んだ。

JS「なんだか知らないけど、────気安く触るな」

今まで聞いた事もない、地の底から響くみたいな冷たい声。

と同時に掴んでいた彼の手をパッと離して、今度は私の手を取って足早に歩き出す。