君の隣 2019 前編(WN) ページ20
<WN side>
ワールドツアーと言えば、宿泊先のホテルでいつも頭を悩ませるのが部屋割り。
俺達は大抵いつも会社からツインの部屋を与えられるんだけど、誰とペアになるかはじゃんけんで決めたり、その時の気分だったり、寝る時に照明を付けたくない派と組むだとか状況は様々だ。
まぁ気心の知れた仲間だし基本誰と一緒でもいいんだけど、そう思いつつも呑気にしていられない理由が一つ。
────そう、Aだ。
Aとは実家が隣で親同士が仲良かったのもあり、生まれた時から家族みたいに寝食を共にしている。
それこそ練習生になって以降は同じベッドで寝る事も多々あって、でも別にそれは俺に限っての話じゃない。
だから今更構える事でもないんだけど・・・・・旅先となればまた話は別だ。
なんせ、ツアーとはいえ浮かれがちな異国の地という非日常なシチュエーション。
しかも、二人部屋という個室でなにがあるかなんてわかったもんじゃない。
なにより、一、二を争うレベルで浮かれてるのはA本人なわけで、そんなAはずっとにこにこしてはしゃいでて可愛いけど、反面、なにかと無防備で危なっかしすぎた。
例えば、寝ぼけたAがベッドに入って来て抱き着いたり、むにゃむにゃ言いながら胸に顔を埋めてきたりなんかした時に・・・・・(経験済み)
俺以外の奴が果たして冷静に対処できるのかなんて────考えたくない。
って言うか普通に俺が同部屋になりたいし。(本音)
そういう思いを胸に、今日も────
SVT「「「「アンネミョンジンゴ、カウィバウィボ!!!!」」」」
人払いされてるホテルの廊下(※貸し切りフロア)で輪になって繰り広げられるA争奪戦。
もとい、部屋のペア決めじゃんけん。
一見ポーカーフェイスで熱く拳を突き出した俺。
なのに、
DN「えっ・・・うそ、僕??? ぃやったぁぁあぁ!!!!」(大歓喜
MG「ええええええ、ディノ独り勝ち?!?!」(驚き
HS「すげー!!!!!」(驚き
12個のグーに対し二人だけパーを出したのはディノとAで、あっさりペアリングが成立してしまった。
ディノ、ガッツポーズまでしてぴょんぴょんジャンプしてる。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年9月11日 15時