17話 ページ18
「それって、やっていい事なんですか?」
「私は敦くんたちがああなると予想していた。だから盗聴器を依頼人に仕込み、タイミングを見計らって参上した訳だ。」
「依頼人って…?」
「機関銃を持っていたお嬢さんだよ。」
なるほど。盗聴も仕事の一環だと。
予想してたならついていけば良かったのにとも思ったが何か理由があったのかもと思い、言及はしなかった。
「私は君の知りたい事は教えたし、質問にも答えた。君も私の質問に…」
太宰さんの言葉の途中で大きな銃声とガラスの割れる音がした。
上の階、探偵社のある方からだ。
「これが言ってた襲撃?ちょ…これ大丈夫なんですか!?」
太宰さんは面倒くさそうに答えた。
「問題ない。あれくらい日常茶飯事だ。今行っても掃除を手伝わされるだけだよ。そんなの私は御免被りたい。」
日常茶飯事!?襲撃が?物騒すぎ!
ていうか後始末の事を気にするんだ!?
ツッコミどころが多いね…。
「まぁそれはどうでもいいとして、」
良くないわい!
「君はあの光景、怖くなかったのかい?それとも幼さ故に、理解が追いつかなかったのかい?まぁ、今の私とのやり取りからして後者はあり得ないだろうけど。」
「うっ…」
まぁ、確かに私は色々異常だ。四歳児と言うには大人びてるだろうし、太宰さんは知っているのだろう。私が機関銃持った女の人に突っ込んでいって、軽傷を負わせちゃったことも。まぁ大人でもしないだろなぁ。
「確かに…怖くは無かったですね。この街の物騒さには心底驚きましたけど。普通路地の裏に虎がいたり機関銃乱射する人がいたりしませんから。そんなの普通、即警察行きの大事件になりかねないのに。」
太宰さんは、
「うん、普通の人なら近寄らないよ、ヨコハマの路地裏になんて。」
その言い方からして路地裏ではあれも日常茶飯事なんですか?
…怖、ヨコハマ、こっわ。
「私の推測なのだけど。聞いてくれるかい?ただ、非現実的な話になるけどね。」
こくん、と頷く。
「君は有川Aちゃんじゃない。中身は別の誰かだ。最近Aちゃんと入れ替わってしまって、だから名前をとっさに答えることができなかった。あと、『七日間何も食べてないみたいです』と言う他人っぽい言い方からも考えられるね。いきなり倒れたのは、Aちゃんの記憶が流れてきたからかな?倒れた後は名前、答えられてたもんね。」
この人、怖。
「思い出したんじゃ無くて、記憶が流れてきたんじゃない?」
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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します!!私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです!私も頑張ってみようと思ってみました! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年1月26日 20時