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43話 ページ44

「一緒に来た人が心配なので、もう行きますね。最後に名前、聞いてもいいですか?」

「ひなのだよ!君は?」

「私はAです!また会いましょう、ひなのちゃん!」

そう言って私は一番前の車両の方へ走る。ひなのちゃんのお母さんの慌てた声が聞こえたけれど、悪いが無視だ。
敦くんの戦いを見ていると思われる野次馬を押しのけて一番前の車両へ足を踏み入れる。

電車の扉のすぐそばのところで、さっき前の車両に走っていって、恐らく異能で敦くんを刺しまくっていた女の子が立っていた。

どういう状況?


「私の名は鏡花。六月で三十五人殺した。

もう一人だって殺したくない!」


泣きながらそう叫ぶ女の子もとい鏡花ちゃん。よく見たら鏡花ちゃんの体には爆弾が。ひと目見るだけでやばい状況だって分かった。

女の子は飛び降りようとしてるんだ。どう思ったからか知らないけれど、多分爆弾による被害を出さない為に。

「駄目です!」

気付いたら私は走り出していた。無我夢中で走るけどギリギリ間に合わない!。こういう時本当に私の小さな体を恨む。

敦くんが足を虎にして鏡花ちゃんを助けるために川へダイブしていった。そして数秒後、爆発音が電車の外で響いた。


「敦くん!!」


電車の出入り口跡の縁に捕まりながら、川を見下ろしてみるけど、残念ながら敦くんと鏡花ちゃんは見えなかった。

生きてる…よね?
大丈夫だよね。

そう自分に言い聞かせるけれど、やはり不安で仕方がない。私が生きていた前の世界だったら、多分あんなことしたら普通に死ぬ。でも、敦くんは虎になって身体強化してるから大丈夫かも…そう信じたい…。


今度は後ろの車両にいる筈の与謝野女医めがけて私は走り出した。与謝野女医は探偵社の専属医だ。もし敦くん達が怪我をしてたら治して貰わないと。あんな重症たった谷崎さんも与謝野女医は治せたんだからきっと大丈夫。


…その谷崎さんが青くなってしゃがみ込むほどトラウマになる治療って言うのは少し気の毒だけど。

取り敢えず車両から車両へ走りまくる。やがて与謝野女医がいる最後尾の車両に辿り着いた。

「与謝野女医!敦君が…」

「落ち着きなA。見てたさ。大丈夫、敦は生きてる。さっき川原に上がろうとしている様子が見えたと思うから。」

「本当ですか?」

「あぁ。」

その言葉を聞いて、私は胸をなで下ろした。

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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します!!私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです!私も頑張ってみようと思ってみました! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年1月26日 20時

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