カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ7)

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盗み聞きページ7

1時間ほど休憩をはさむということで各自食堂へと向かう。
Aは疲れた体を休めようと、どこか休憩出来るところを探す為フラフラする。

「どこか休める場所は～、わ！！」

皆が食堂へと向かう中逸れてくAは、誰かからがしっと頭を鷲掴みされた。

「こ、この力強さはまさか……。」

覚えがある頭の痛さに、恐る恐る振り返るとそこに居たのは最早定番となった爆豪。

「テメェ…懲りねぇ奴だなぁ？あ？」

食事を抜いてまで休もうとしているAを見抜いた爆豪は、顔を引き攣らせたままのAを連れて行く。行き先はもちろん食堂。

「いい加減諦めて飯食えや。」

「食欲という欲求の優先順位が低くて…。」

「あ゛？」

「冗談です。」

間違った事を言えば殺されかねないくらいの悪党顔をした爆豪にAは怯む。

「でも本当に今日は疲れたから……。」

「あ゛ん？」

「食べます食べます！！」

そんな言い合いをしながらも歩いていると何かを聞き取った爆豪はその場に止まる。
そして呑気にケーキ食べたいな、と呟いているAの口を手で塞ぐ。

「んむ！！」

いきなり口を塞がれたAは困惑する。そしてそのまま壁へと押し付けられますます困惑し、爆豪へと目線を向けた。
対する爆豪はというと耳を澄ます様に目をどこかに向けている。

「個性婚、知ってるよな。」

ふいに聞こえてきた声に目を見開くA。爆豪がAに目線を合わせてくる。その目が黙っとけと語っていた。

聞こえて来た話は轟と緑谷によるものだった。No.2ヒーローであるエンデヴァーを父に持つ轟は自身の悲しい境遇を緑谷に話した。

それを思わぬ形で聞いてしまったAと爆豪は固まってしまう。爆豪によって塞がれた口もそのままにするほどに。

そうして暫くした頃。ようやく轟と緑谷の話も終わり2人は何処かへ行った。
なのに爆豪は依然としてAの口を塞いだまま何かを考えている。
ひとまず手を離してもらおうとAは爆豪の腕を掴んで下から爆豪を覗き込んだ。

ようやく我にかえった爆豪は舌打ちと共に手を離した。

「なんなすごい話聞いちゃったね…。」

内容が内容だけに盗み聞きをしてしまった事実に罪悪感が増す。