カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ35)

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お出かけという名のデート？ページ35

「おはよう勝己君。お待たせ！」

勉強を教えてくれたお礼にとお出かけを提案したA。お礼なのだから爆豪の行きたい場所を聞いたのだが、Aの好きな場所でいいの一点張り。
良いのかなぁとも思ったが頑なにそう言って聞かないのでAは自分が行きたい場所を考えた。

そうして考えた結果、ベタではあるが遊園地。
そこなら爆豪の楽しめるアトラクションもあるだろう。

「おい。」

「わ、」

遊園地へと向かう中、何乗ろうかなぁと楽しみにしていると急に引っ張られる腕。
どうやら後ろから自転車がまあまあなスピードで走ってきたらしく、爆豪は先にそれに気付き自分の方へと寄せてくれたようだ。

「気をつけろや。」

「あ、ありがとう。」

そっぽを向いてしまっているので爆豪の表情は見えない。
だがAの腕を掴む爆豪の手がいつの間にか手首、そして手のひらへと移動していくその様子に嬉しく思った。

ーーーーー

「はぁ～乗った乗った！」

アトラクションにいくつか乗り、満足したAと爆豪は休憩の為ベンチへと座る。
持ち前の爆豪の要領の良さのおかげでスムーズに乗る事ができてご満悦のA。

便所、と言って席を立つ爆豪に返事をしたAは改めて遊園地へ来れて良かったと思った。
声を上げて笑うタイプではないものの、時折見せる柔らかい雰囲気に爆豪を遊園地へと連れて来たAは嬉しくなった。

ヒーローを目指す者として、休日に遊びに行くなんてこれからそう多くはないだろう。
強くなければ守れない。
なので強くなる為、A達は努力をする。
血反吐を吐くような訓練をしている中、こういった息抜きはとても大切だ。

「あれ、お嬢ちゃん1人？」

爆豪が帰ってきたらお土産でも見に行きたいなぁと考えていると目の前が暗くなる。
影が出来た事により、目の前に人が立ったと気付いたAは顔を上げた。

「……？」

だがどこからどう見ても初対面の相手にAは首を傾げた。