カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ34)

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筆記テストページ34

「おっはよー！とうとうテストの日だね！」

よく晴れた日の朝、見慣れた背中を見つけ満面の笑みで挨拶をしたA。
そんな眩しい挨拶を受けた爆豪は思わず見入ってしまう。
自分から落とすと決めたのに、事あるごとに自分の方が落とされている事実に納得がいかない爆豪だがそれでも自分に向けられる笑顔は良い気分にさせてくれる。

「この俺が教えたんだ。赤点なんて取ったら許さねぇぞ。」

「でもさこれで私が赤点とったら勝己君の教え方が悪かったって事かもよ？」

「あ゛！？言ったなコラァ…！」

「うそうそ！勝己君の為に頑張っちゃう！」

「チッ。一言余計なんだよテメーはよ。」

そう言いつつも満更でもなさそうな爆豪とAは一緒に学校へと向かった。

ーーー

「終わったー！！」

無事に筆記テストも終わりほっと息を吐いた。
そして爆豪の席へと向かったA。

「ねぇ勝己君、あそこの問題なんだけど…。」

だいたいは出来たのだが、一つ微妙な問題があったので頭の良い爆豪に答えを聞いたA。
だが残念な事に爆豪とは違う答えを書いてしまったようでAは頭を抱えた。

「間違えた…。」

「……俺の為に頑張るとか抜かしやがって、間違えとんのかテメーは。」

頭を鷲掴みし、朝の発言を引っ張り出してきた爆豪にAは余計な事を言ってしまったと後悔するがもう後の祭りだ。

「ごめん、って！もー！！！」

中々離してくれない手。
こうなったら中々離してくれないのは今までの経験から分かっているので諦めて文句だけ言う。
その反応に満足した爆豪はやっと手を離した。

テストも終わったので、爆豪は帰り支度をしていつものように一緒に帰る為Aを探す。

「わ！」

個性を使って爆豪の背後へと瞬間移動してきたAに爆豪はピクッと反応した。

「無駄に個性使うなや！！」

「びっくりしたでしょ？でもそれ勝己君が言う？」

誰よりも個性を使って人を脅す事に身に覚えがあった爆豪は黙り込む。他の人に言われたら火に油を注ぐようなことになるのだが、Aに言われてもそうはならないのは惚れた弱みなのだろうか。

「それでさ、勉強教えてくれたお礼にどこか行かない？」

にっこりと効果音がつきそうな微笑みを浮かべAは言った。