カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ21)

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ある日の個性事故 5 ページ21

「え？爆豪君が作ってくれるの？料理できるの？」

「あ？できるに決まってんだろーが！作り殺したるわ！！！」

「作り殺すって…。ふふ。嬉しい、楽しみにしてるね。」

自分の為に料理を振舞ってくれるという爆豪に微笑んだA。爆豪は一体何を作ってくれるのだろうか。
才能マンである爆豪が作るものはなんでも美味しいのだろう。きっとそう遠くないだろう未来を想像して幸せな気持ちになる。
そんなAの顔を見た爆豪は満足気になる。

「(あらあら。付き合ってはないって言ってたけど、いい感じじゃない。)」

2人の世界になってしまったかのような甘い雰囲気に爆豪の母、光己は嬉しそうに目を細め2人を眺めたのだった。

ーーー

「片付け、手伝えなくてごめんなさい…。」

楽しい食事も終わり、ご馳走になったAは皿洗いを引き受けようとしたが爆豪と手が繋がってる事を思い出す。

「気にしないでいいのよ。Aちゃんは本当に良い子ねぇ。誰かさんとは大違い。」

「…んだとクソババア。」

「こら勝己！誰がクソババアよ！！！」

既に何回かしてるやり取りに苦笑いするA。爆豪も大概口が悪いが、光己も中々に強い。さすが親子である。

「それよりあんた達お風呂でも入ってきちゃいなさい。」

「あ゛？入れるわけねーだろうが！！！手が繋がってんだよ！！！」

「ああ、そうだったね。」

「私入りたいなぁ。」

「はあ！？？入れるわけねぇだろ！！！」

「そんなぁ…。」

落ち込むA。
どこまでも抜けてるというか危機感が足りないAに頭を抱える爆豪。
しぶしぶ納得したAを連れて爆豪はソファへと座る。

「爆豪家はいいねぇ。」

「んだよ、いきなり。」

爆豪親子のやり取りを思い出したA。内容は中々過激だろうと言い合える関係が羨ましい。
例え強くいえども離れていかないのは強い絆で結ばれている証拠なのだから。家族だけなのだから。

考え込んでしまったAは爆豪が繋がれている手にぎゅっと力を込めた事で意識を戻す。

お前は1人じゃない、そう言ってくれていると思ってもいいのだろうか。
何も言われない事をいいことにそう解釈しても、どうか今日ぐらい許して欲しい。