カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ15)

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他とは違うページ15

爆豪と別れた後、観客席へと戻ったA。
次が決勝戦ということで会場に居る者たちは誰もが決勝を楽しみに待っている。
Aもその内の1人である。

「Aちゃん、お疲れ様～。」

「ありがと～お茶子！」

席に座って爆豪に負けた者同士、これから頑張らないとね、と笑い合う2人。

「あ、ジャージ爆豪君から返してもらったんやね。」

麗日はAのジャージを指す。

「そうなの。さっき救護室の所まで届けてくれたんだ。」

先程の事を麗日に伝えれば麗日は試合後の事を教えてくれた。
爆豪がわざわざAのジャージを拾っていた事、そしてジャージを肩にかけて会場から出て行った事。

「爆豪君、Aちゃんには特別優しいもんなぁ。」

ニヤニヤと笑う麗日にAはジト目で見る。
絶対に楽しんでるな、と。

「でも本当だよ？爆豪君のAちゃんに対する態度全然違うの！」

「そうかなぁ？勝己君にはしょっちゅうクソ女！とか言われてるからよく分からないなぁ。」

思い返してみても罵声だったりクソ扱いされたり乱暴な所は他の人も変わらないはず。

「か、勝己君！？？Aちゃんってばいつから名前呼びなん！？？」

勝己君、そう呼んだAに驚く麗日。それもそうだ。爆豪はみんなから苗字で呼ばれているはず。それはAも同じだったはずなのに、と頭を悩ます麗日。

「んと、さっきからだよ？ジャージ返してもらった時。」

いつの間に…と最早緑谷のようにぶつぶつ呟いている麗日を見てAは若干引く。麗日は緑谷と仲が良いから仕草も似てくるのだろうか。
なんだんだいつも緑谷と一緒に居る麗日だって特別な関係なのではないか。

「お茶子こそ緑谷君とどうなの？」

「な、で、デク君！？？ただの友達だよ！！」

「ただの友達～？ふーん？」

麗日の焦り様にこれは何かあるなと勘づくA。こうなったら根掘り葉掘り聞きたい。
だが中々口を割らない麗日にちぇ、と零したA。

「まぁ、言いたくなったら言ってね。言わなくても態度で分かりそうだけど！」

「Aちゃんてば！！最初の話からそれとなく逸らされたし！！」

お互いに見合って笑い合う。
だが決勝が始まる時間になったのか爆豪と轟がようやく出て来た所ので意識がそちらにいく。

『決勝戦、轟対爆豪！！今スタート！！！』