カーネーション 2【爆豪勝己】 (ページ12)

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vs 爆豪 2 ページ12

「あ゛！？」

爆豪の顔にAのジャージが被さった事により視界が真っ暗になった爆豪は思わず声を上げた。
自身のジャージを爆豪の顔へと移動させたAはその隙に爆豪へと移動して手で触れようとする直前に、ただ移動させるのでは爆豪なら突破するだろうと踏んで、爆豪が身動きが取れなくなるよう抱きしめる形で拘束する。

「捕まえた！！」

「あ゛あ゛！」

ジャージを頭から被ったままAに拘束される爆豪。長い時間の拘束は女のAの力じゃもたない。だが一瞬、時間を稼げれば良い。
一瞬で爆豪はAと共に場外へと移動した。

だが、そのまま場外へと落ちるというギリギリの所でAを振り切り、掌を下に向け爆破を出す。そうする事で一度浮遊した爆豪はAのジャージを口に咥えたまま場内へと戻った。

「危ねーじゃねぇか。」

ジャージを側に捨てた爆豪はニヤリと口角を上げる。

「でもようやく暖まってきたぜ。覚悟しろや！」

「ええ…。」

直接的な攻撃手段を持たないAは徐々にスピードが上がってくる爆豪に焦り始める。
そして右手を大きく振り上げここ1番の爆破を出した爆豪。
爆煙が会場全体に広がり視界が悪くなる。まずいと感じたAは煙が無い場所へと避難しようとするが爆豪の蹴りが目前まで迫ってきた所でそれに気付き咄嗟に顔の前に腕をクロスさせ蹴りを受け止めた。

「くっ……。」

爆豪の蹴りを受け止めた腕はその蹴りの重さの強さを示したかのようにひどく痺れる。だが爆豪の攻撃はそれで終わるはずが無く、蹴りをした体制のまま手をそのままAへと向け息つく間もなく爆破を出した。
咄嗟のことに反応の遅れたAは瞬間移動する事は叶わずそのまま爆豪の爆破を至近距離で喰らってしまった。

ようやく煙が晴れた場内の状況に会場に居た観客は息を呑んだ。

「勝者、爆豪！！！」

爆破を目の前で受けたAが倒れていた事で爆豪の勝利となった。
煙で場内が見えなかった間に終わっていた試合に、観客達は落胆した。

爆豪により気絶してしまったAはロボにより救護室へと運ばれて行った。