バス ページ33
「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトそしてもう1人の3人体制で見る事になった。」
担任の相澤が教壇で告げた。内容は人命救助訓練。訓練場は離れた場所にあるということでバスで移動するらしい。
さすが雄英。規模がでかい。
さっそくコスチュームに着替えた一同はバスへと向かう。
新委員長の飯田の指示によりバスへと乗り込む。Aの席は轟の隣だった。
最初に一言二言話しただけであとは会話は無し。ふと隣を見たA。
「(うわー。イケメーン。)」
眠っているのか、轟は目を閉じていた。それがまた彼の綺麗な顔立ちを強調させている。
プロになったらすごくモテるんだろうな、と轟が目を閉じている事を良いことにじっくりと顔を見ていたA。
すると前の方の席のメンバーの話し声が聞こえてきた。
「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな。」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なそ。」
蛙吹の容赦ない一言に爆豪はもちろんキレた。
「んだとコラ出すわ！！！！」
「…ぷっ！」
蛙吹の一言に少し吹き出してしまったA。彼女ははっきりとものを言うから面白い。
「あ゛！？なに笑っとんだ！聞こえてんだよ！！！」
後ろの席な事を良い事にくすくす笑っていたら爆豪に聞こえていたらしく、Aを振り返り怒鳴る爆豪。
だがAの隣に座る轟を見付けて何故か更にキレた。
「わー怖い。」
「あんだとォ！？クソ女！！！」
前の座席に隠れる様にしていたらぐわっと身を乗り出して来た爆豪。
「…あわわ……。」
逃げ場がなくなったAに爆豪は容赦無く反撃をする。
「んむぅ！！」
Aの頬を鷲掴んだ爆豪。頬を掴まれて間抜けな顔になったA。
「んー！！！いひゃいいひゃい！」
「間抜け面。」
勝ち誇った顔をした爆豪にAは涙目になる。
頬が千切れそう…。
「アンタらなんだかんだ仲良いよね。」
前から思ってたんだよね、と爆豪の隣に座っていた耳郎がそんな2人を見て言った。
前の方に座っていたメンバーもうんうん、と頷く。
「誰がこんな間抜け面と！目ぇ腐っとんのか耳女！！」
怒りの矛先は耳郎にいくが、Aの頬を掴んだ手は離さない。
爆豪の肩をバンバン叩くが、爆豪のもう一方の手で拘束されてしまう。
その後バスが目的地に到着してようやく手が離れたがAの頬は赤くなっていた。
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作者名：nanase | 作成日時：2020年10月6日 23時
