学級委員長 ページ26
「学級委員長を決めてもらう。」
相澤の良い意味で期待を裏切ったその言葉に盛り上がる一同。
ヒーローを目指す者、集団を導く力をつけるチャンスだ。チャンスを逃す者は愚か者。
そしてAもそのチャンスを狙う1人。
だが全員手を上げた為、これではらちがあかないということで飯田の意見により投票で決めることとなった。
投票結果は緑谷がトップで3票、次は八百万が2票で委員長は緑谷、副委員長は八百万となった。
投票結果に納得いかない者が数名。
Aも残念に思うが決まってしまった事はしょうがない。
早々に立ち直っていると悔しげに呟く声が聞こえてきたのでそちらを見ると、緑谷につっかかる常習犯がいた。
「なんでデクに…！誰が…！！」
「まぁまぁ爆豪君！元気出して。投票落ちした者同士、傷でも舐め合っちゃおっか！」
委員長になれなかった事よりも緑谷に負けた事を悔しがる爆豪。
そんな爆豪をAは慰めようと爆豪の肩をぽんぽんと叩き話しかける。
「あ゛ん？？傷を舐め合う、だと？この俺に慰めなんていらねーんだよ！クソが…。」
苛ついている爆豪に先程のAの言葉はどうやら失敗だったらしく、爆豪の後ろからゴゴゴっと不吉な音が聞こえて来る。
爆豪の腕がAの方へと伸びてくる。
あ、と思った瞬間爆豪の両手がAの頬を摘まむ。そして頬をぐいぐい伸ばす。
「いひゃい！！」
さすがの爆豪も相澤が居る手前派手な事は出来ずに、こうした地味な攻撃をAに仕掛けた。
相澤が寝袋に入ってる事をいい事にAの頬をつまんだまま伸ばす、伸ばす。
そうして爆豪が手を離した頃、Aの頬は真っ赤になっていた。
痛さで涙目になったAは爆豪を睨む。涙目で睨んだ所で効果は半減以下。
それを見て爆豪は満足そうな顔をした。
「「「(ドS…。)」」」
一部始終を見ていた数名は爆豪に引き、Aを哀れんだ。
「涙目の睨み…。くぅ〜たまらん！！！」
峰田は今日も平常運転だった。
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作者名：nanase | 作成日時：2020年10月6日 23時
