カーネーション【爆豪勝己】 (ページ23)

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内緒話ページ23

ーーー爆豪から貰ったジュースは今までで飲んだジュースの中で1番美味しく感じた。

「Aさん、おはようございます。」

「おはよ、ヤオモモ！」

駅で空腹のあまりうずくまってしまう出来事から一晩たち、今日も今日とて学校だ。
昨日爆豪と会った駅はいつもAが降りる駅から3駅ほど後だった。
登校時も下校時も1度も会わなかったので同じ路線だと全く気付かなかった。

席についてカバンを下ろす。
ふと見回すと爆豪は既に登校していて、朝からふんぞり返って椅子に座っている。
Aは爆豪の近くに行った。

「爆豪君、おはよう。」

爆豪の隣にしゃがみ込んでそっと挨拶をするA。
いきなり現れたAに爆豪はびくっと肩を揺らした。

「あ、びっくりした？」

「あ゛？しとらんわ！！」

ふふ、と笑うAに舌打ちで返す爆豪。恒例となった爆豪独特の返事にももう慣れてしまったA。

そして小声で"昨日は本当にありがとね"と伝えたA。

「…んで小声なんだよ。」

怪しげに見下ろしてくる爆豪に慌ててシーっとジェスチャーをするA。
何故かって、さすがに昨日の事はAと爆豪だけの秘密にしたいくらい情けない出来事だった。

2人でコソコソと(主にAだけ)話していると横から元気な声が聞こえてきた。

「爆豪、瞬矢、おはよう！！」

「おはよう、切島君。」

「なんか2人コソコソしてんな。」

「……こいつ昨日、」

わー！っと慌てて立ち上がり爆豪の口を抑えるA。切島に言ってしまったらコソコソ話した意味がないではないか。
爆豪に目で必死で訴えるも、爆豪は知らん顔だ。
あとでちゃんと釘を刺しておかなければ。

「おい！なんで立つんだよ！！！あと少しで見えそうだったんだぞ！もう1回しゃがめ、瞬矢！！」

「…へ？」

爆豪、切島以外の声がAを呼んだ。彼は峰田。やけに目を見開いていて正直怖い。
Aがいきなり立った事で何かを遮ってしまったのだろうか。
Aはもう一度しゃがもうとする。

するといきなり横から腕を掴まれたA。しゃがもうとする途中だった為掴んできた爆豪の方へと少しふらついてしまった。

「おい、爆豪！邪魔すんなぁ！！」

Aがしゃがもうとするのを邪魔した爆豪は、峰田を睨みAの腕を離した。