戦闘訓練 ページ14
「けしからん！！！」
「…へ？」
みんなのコスチュームを眺めていたら、至近距離から何やら聞こえたきた。
斜め下からやけに強い視線を感じたのでそちらを向いたA。
「ひっ！！」
Aのスカートを覗くようにそこに立っていたのは、紫のボールのような髪型をした峰田。
小さくて可愛い……じゃなくて、明らかに中を覗いている。目がヤバイ。
「ふ、太腿…。見えそうで見えない…だがそれが良い……。」
目を血走らせながらAの太腿を凝視している。
Aは顔を引きつらせ、近くに居た爆豪の後ろにさっと避難した。
さすがの峰田も爆豪に関わるのを避けたいらしく、舌打ちをしてターゲットを他に移していった。
「(峰田君のターゲットになった女子、ごめん…)」
心の中でそっと謝ったA。
そして勝手に峰田除けとして利用してしまった感じになったが、当の本人の爆豪は戦闘訓練と聞いてからギラギラしていて、今も人を殺してしまうのではないかというくらい怖い顔をしてオールマイトを見ている。
Aにはまったく気付いてない。
「(ふむふむ、峰田君除けには爆豪君が有効っと。)」
それにしても怖い顔してるなぁと思うA。
目の周りを覆っているマスクみたいなやつのせいで余計に怖い顔になっている。
もともと怖い顔付きをしてるのに何故更に怖くするのだろうか。
あまりにもAが凝視していたのでさすがに爆豪も気付く。
「あ゛！？なに見とんだ！！」
「いや、怖い顔してるなーって思っただけ〜。」
「はぁ！？黙れクソ女。」
「はいはい。Aちゃん静かにして、って言ってくれたら黙ってあげるね。」
「ハァ？言うかクソが！！」
「ざーんねん。」
普段から凄まじく口が悪い爆豪がAちゃん、だなんて言ったら可愛いのに。それこそギャップ萌えだよね、と心の中で考える。
さすがのAもからかっても良いセリフと地雷を踏みそうなところの境は見極めるようにしているつもり。
爆豪から言わせてみれば見極めてなんかできていないのだった。
「…チッ。」
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作者名：nanase | 作成日時：2020年10月6日 23時
