6話 ページ7
そして明日人､ 氷浦､ 基山､ 不動､ 灰崎の五人が防衛ラインを作ってラフプレーなどの当たりを次々と躱していき､ 上手くボールを繋げていった｡
「(ﾁｯ…効かなくなってやがる､ 何故だ!!)」
「豪炎寺! 新たなタクティクスを使うぞ!」
「嗚呼!!」
「皆､ 反撃だ!!」
鬼道の合図により､ 皆は段々敵陣内へと攻め上がっていく｡
「これが日本か…!」
「来るぞペク! DFだ!!」
「DF…俺達が劣勢だと…!?」
「───必殺タクティクス "柔と剛"!!」
ボールを上手く繋いでいくと､ 一気に灰崎から前線にいる豪炎寺へとボールを繋げた｡
「(よし…道は見えた､ いよいよこの時が来た!)
はぁあｯ…! ラストリゾート!!」
豪炎寺の放ったシュートは石の塊が龍を作りボールと共にゴールへ向かう｡
その威力はかなり強力で､ GKのシンがキーパー技"ファイアウォール"を出すが止められず､ ボールはゴールネットを揺らし同点に追いついた｡
「何あのシュート…今までとは違う何かを感じたわ」
Aは豪炎寺のシュートを見て､ 凄いという一言では現せないぐらいの感情が湧き上がる。
灰崎はAの言葉に頷いた｡
「嗚呼…何だ今のは｡」
「やはり完成させていたか…!」
「豪炎寺…やっぱお前は豪炎寺だな!!」
「円堂、それはどういう標語だ」
「どういうことですか…」
「ははははっ!」
円堂の語彙力に鬼道はツッコミ、Aは苦笑いを浮かべた｡ 円堂は嬉しそうに笑いを浮かべた｡
「世界と渡り合う為に特訓と研究を重ねてきた｡ これが俺のサッカーにおける解答だ｡」
「豪炎寺さんは凄いな…!!」
「凄いだと? 陳腐な言葉で纏めるのはよせ｡ あれはパーフェクトペンギンの優に十倍の威力はあるだろう｡ …まさに､ 芸術の域だ｡ 」
灰崎は明日人の言葉に答えながら芸術の域のシュートを放った豪炎寺を見詰めた。
「…彼奴､ 目障りだな｡ 」
ペクは豪炎寺を見詰めて呟いた後に､ 自分のイレブンバンドを弄ってイとパクにメッセージを送った｡
《さぁ､ 試合再開です!同点に追いついた日本､ 反撃ムードを作れるのか!?》
試合再開のホイッスルが鳴った｡
明日人はすぐにペクからボールを奪って豪炎寺へと繋がった。
だがその一瞬の違和感を､ Aは見逃さなかった｡
「(今､ ペクの動きが少し止まった…? もしかして､ 態とボールを渡した…?)」
ペクの不審な動きにAは違和感を感じると同時に､ 胸の騒めきをも感じた｡
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作者名：りはる x他1人 | 作成日時：2020年3月20日 16時
