天空の熾天使ｰセラフｰ【オリオンの刻印】 (ページ19)

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18話ページ19

「そういや、お前怪我はねぇのかよ?」

宿舎に帰って皆が一つの広間に集まった時。

吉良がAを見て一言述べた。

「敵のスライディングを受けた時、勢いよく背中から落ちたよね。大丈夫だった…?」

続いて吹雪も心配そうにAを見詰めて声を掛ける。

「大丈夫です、怪我も無かったですし…着地がもう少し早かったら、完全に脚はやられてたかと…思います」

「怖ぇなおい…まぁ、無事なら良かったぜ」

ソファーに座りながらAを見上げれば何処か安心そうな表情を浮かべた。

Aは申し訳なさそうに眉を下げながら、"心配掛けてすみません"と答えた。

「それに! まさかAちゃんがあの、"天空の熾天使"だなんて思いませんでしたよ～!!」

「きゃっ…! もう、つくしさんっ…」

つくしがAにぎゅうーっと効果音が付きそうなほど強く抱き締めながら述べる。

Aは抱きつかれたことに驚きながらも、恥ずかしそうに頬を赤らめた。

「天空の熾天使、かっこいい名前だな」

「ありがとう、これからも天空の熾天使として皆の力になりたいな」

「絶対なるよAなら!というか今日の試合で凄く力になったし!」

万作にカッコイイと言われて嬉しそうに笑みを浮かべながら述べると、明日人はぐっとガッツポーズしながら答えた。

明日人は持っていたタブレットを弄ると、"おおっ"と声を上げた。

「試合のこと出てるよ! すっげーいっぱい…」

「おっ、本当だ! 俺も居るぜ!!」

剛陣は明日人が持っていた端末を掴んで顔を近づけた。

そこにはベンチで飛び跳ねている剛陣が小さく映っている写真が。

「これは完全に保存モンだなぁ!」

「よく見えましたね…」

「野生か…」

「小さくても映ってれば何でも嬉しいんだ…」

「はっ、目出てぇな」

「おー! サンキューな!!」

明日人、万作、Aは苦笑いながらに剛陣見て小さく呟く。

不動は荷物を纏めながら述べると、鞄を肩に掛けながら広間を出る。

剛陣は嬉しそうに手を左右に振って礼を述べていた。

坂野上が"今の、怒るところじゃ…"と突っ込むが、剛陣の耳には届いてないみたいだ。

Aはひょこりとタブレットを覗き込むと一つの記事を見つける。

「日本代表を引っ張るツートップ、イナズマゴッド＆デビル。そしてセラフ、イナズマジャパンに降臨…──」

「「纏めんじゃねぇｯ!!」」

Aが記事を読み上げると、灰崎と吉良が息ぴったり突っ込んだ。