天空の熾天使ｰセラフｰ【オリオンの刻印】 (ページ18)

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17話ページ18

「やったなぁ! 灰崎! ヒロト!!」

明日人は灰崎と吉良に駆け寄るが、二人は機嫌を悪くしてお互い舌打ちすると明日人を通り抜けて行った。

「明日人くん…気にしなくていいのよ」

「だ、だよね…」

Aと明日人は顔を合わせて苦笑いを浮かべた。

「くっ…まさかこんなことに…。あの時、熾天使の脚を確実に狙っていれば…!!」

ペクは悔しそうに歯を噛み締めながらベンチに戻ろうとする。

その時、すれ違いざまに一人の少年と目が合い、睨み付けられる。

ペクは少し怯えるような表情をしながらも、そのままベンチへ向かった。

「…あ! A先輩お疲れ様です! 凄くかっこよかったですよ! 僕、ファンになっちゃいました!」

一星はベンチに戻ってきたAを見るなり駆け寄ると、にぱっと可愛らしい笑顔を浮かべた。

Aは一星に釣られるように笑みを浮かべると、一星の頭に手を置いて優しくそっと撫でてあげた。

「ふふ、ありがとう、一星くん」

「へへっ…どういたしまして」

一星はAに頭を撫でられて、気持ちよさそうに目を細めていた。

＊

皆は更衣室でジャージに着替え、ホワイトボードに「祝！アジア予選第1戦勝利」と書き、皆は勝利に喜んでいた。

「詳しいことは、検査しなければわかりません。ですが、回復に時間が掛かるのは間違いないですね…」

「…そうですか」

豪炎寺は救護班の一人に手当をしてもらっていた。

どうやらこれ以上試合は出られないようで、入院することが決まった。

「豪炎寺先輩…」

「A…そんな心配そうな顔をするな、必ず復帰してみせるからな」

Aが豪炎寺を心配そうに見詰めると、豪炎寺は安心させるようにそっと優しく頭を撫でてやる。

Aは大人しく頭を撫でられながら、"はい…"と答えた。

「豪炎寺」

「円堂…お前と世界のフィールドに立ったというのにな」

「何、まだ始まったばかりだ。豪炎寺が戻るまでは絶対に俺たちで何とかするさ!」

「ふっ…このチームなら、もっと前へ進んで行ける」

「俺たちは全員でイナズマジャパンだ。豪炎寺、しっかり治してこいよ」

円堂は豪炎寺の肩に手を置いて述べると、お互い信じて笑みを浮かべた。

「僕付き添います!」

「ああ」

一星が付き添うと言えば豪炎寺は笑みを浮かべて返事をする。

そして会場を出ると円堂、一星、豪炎寺と別れて、Aたちは宿舎へと戻っていった。