11話 ページ12
《イナズマジャパン､ 新たに入ったのは吉良ヒロト!灰崎凌兵とツートップとなります!!》
「どうなるんだこの二人…」
明日人は睨み合っている灰崎とヒロトに不安が募る｡
不安を抱いたまま､ 後半戦の開始のホイッスルが鳴る｡
ヒロトが灰崎にパスを出すと､ 灰崎は上がらずに後ろにいるAとパスを出した｡
「はぁ!? 何バックパスしてんだよ!」
「うるせぇ! 紅月にゴール決めるから渡せって言われてんだ!」
ヒロトと灰崎は言い争いながら前線へ上がる｡
「…ありがとう､ 灰崎くん｡ さぁ､ 一点決めるよ!」
Aが小さく笑みを浮かべるとボールを蹴り､ ドリブルで敵陣内へと切り込む｡
するとペクとパクが止めに入ろうと立ちはだかる｡
「行かせるか!!」
「──エンジェルウィンド!!」
Aは脚を後ろから前へと勢いよく蹴り上げると大量の羽が集まり竜巻のような形となり､ ペクとパクを巻き込んだ｡
風に耐えきれなくペクとパクは吹き飛ばされ､ Aは二人を抜き去る｡
その技を見た選手､ 観客は驚きを隠せなかった｡
そう､ あの技は"天空の熾天使"の技なのだから｡
《出たぁあ─ッ!! 紅月のエンジェルウィンドだ──! "天空の熾天使"､ 此処に降臨だ──!!》
「天空の熾天使って…!」
「紅月だったのか!?」
ベンチに居た坂野上と砂木沼が実況者の言葉を聞き､ 驚きで声を上げる｡
その言葉に答えるように､ 監督は"オーホッホッホ"と笑い出した｡
「そう､ 天空を支配し､ 天使のように美しさのあるプレーをして敵を魅了させる…"天空の熾天使"､ まさに紅月Aちゃんのことなのです!」
「えぇっ!? 私大ファンなんですよーっ!!」
つくしが嬉しそうな声色で述べながらAを見詰める｡
Aのその美しいプレーに皆は釘付けになっていた｡
「さぁ､ 私のシュートが止められるのかしら?」
華麗にDFを突破した後､ キーパーと1対1となる｡
キーパーのシンはAのシュートを止めようと構える｡
「翔け──セラフウィング!!」
Aの背中に赤色の羽が生える｡ ボールを高く蹴り上げて羽でAも高く飛び上がると､ ボールが赤色と金色のオーラが包み込んだ｡
そしてAが勢いよくボールを蹴れば赤い羽根を舞い散らせながらゴールへと向かう｡
シンは速さと威力にボールを受け止められず､ そのままゴールへと突き刺さり､ 追加点を入れた。
"天空の熾天使"､ ここに降臨｡
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作者名：りはる x他1人 | 作成日時：2020年3月20日 16時
