天空の熾天使ｰセラフｰ【オリオンの刻印】 (ページ22)

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21話ページ22

「…お前が接触プレーで簡単に怪我をするということ、そして敵が紅月を完全に狙っているように危ない角度から態とスライディングを仕掛ていたことは腑に落ちん。

…豪炎寺、お前は"光を見た"と言ったな。」

「嗚呼…その瞬間、俺は倒されていた。」

「誰かが故意に目眩しをやったということか?」

「…まさかとは思うがな。だがもしそうだとしたら、Aが狙われた事もそれと関係するんじゃないか?」

「…それはあるかもしれないな。」

鬼道は顎に手を当てて考え込んでいると、病室の扉がガラッと開いた。

そこには、チームメイト数人の姿があった。

「おっ、何だよ鬼道、先に来てたのか!」

「ここは病院だぞ、あまり大声を出すなよ円堂…」

円堂に続いて皆が入ると、少し大きめな声で話す円堂に風丸は小さく注意をする。

「豪炎寺さん、お見舞いに来ました!」

「だーかーら病院で大声出すんじゃねぇよ明日人!田舎モンだと思われるだろうが!」

「剛陣先輩も充分大声でゴス…」

「あ…」

岩戸に人のことが言えない剛陣に突っ込めば、聞いてた皆は笑いが溢れた。

「一気に賑やかになったな。」

「ふふっ…。…そういえば、Aは来てないのか?」

豪炎寺はチームメイトを見渡すが、Aの姿が見当たらない。

「紅月さんなら、合宿所でマネージャーたちの手伝いをしてました」

「そうか…」

氷浦がそう答えると、豪炎寺は眉を少し下げて残念そうにした。

その様子を見て察した鬼道は少し口角を上げる。

「豪炎寺は余程、紅月の事を気に入っているようだな。」

「まぁな、俺は天空の熾天使のファンだからな。」

「…って、豪炎寺、Aが天空の熾天使って最初から知ってたのか?!」

「嗚呼、知ってたぞ?だから試合の時、Aに"力を見せてくれ"って頼んだんだ。」

「ええっ!?そうだったのか!?」

円堂は豪炎寺がAの正体を知っていたことに驚いていた。

天空の熾天使であるAは一年前の女子サッカー界で、1番人気の選手。

そこから噂は男子サッカー界に…更に世界に広まり、皆から注目が集まるほど人気が上がっていった。

中には、女子サッカー選手の中で一番が強いという噂もある程の実力。

一年前から豪炎寺は、Aの試合映像を見て、そのプレーに魅了されてファンになった、ということだ。