苦しい薔薇の花が、散る前に。

過去　　 ページ13

ある朝、私、桜橋美麗は、兄と白銀学園に来ていた。

「白銀学園って一体何?
どうせ、ヴァンパイア優先の学園でしょう?」

兄「まあ、そうだな。でも、次男の、琥珀さんなら、嫁いでもいいんじゃないかな？」

「琥珀?次男なの?」

この頃の私は、ヴァンパイアなんて、見るのも嫌だった。

だから、兄が、たびたび、ヴァンパイア優先の学園へ連れてきてくれた。

が、つまらないとこばかり。

ヴァンパイアじゃない私にとって、どうでもいいことだった。


回想

医者「桜橋家にヴァンパイアじゃない女が、産まれた。0.000001%ほどの奇跡だ。」

母「この子は、桜橋家の希望よ。」

母は、そうして息を引き取ったそうだ。

大事に育てられた。

でも、ある時気づいた。

私、このままだと、ずっとここにいることになる、
ってことに。

そんなの、嫌だ。

だから、白銀琥珀さんには、悪いけど、
さようなら。兄さん、父さん。

柵をとびこえ、



篝月家へと、走った。

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