三角関係【黄】【緑】 (ページ15)

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大倉side

17年前大倉家

『あかんむっちゃねむい。』

「お前俺の部屋で寝んなよ。」

『今日のレッスンめっちゃしんどかってんもんー。夏休みやからってあんなんキツいってー。』

もうすぐAの事務所のデビューした先輩のライブでバックダンサーをするとかなんとかで、最近はレッスンばっかりらしい。

「ホンマに家帰らんつもりなん？」

『ええやん明日の花火大会も夕方からやし。』

「そうゆうことちゃうやろ、お母さん心配せえへんの？」

『せえへんよ、大倉家やで？』

「ようわからん。」

今日は元々ご飯をうちで食べる約束してたから、その流れでお風呂もうちではいって、うちのオカンも泊める気満々。

～♪

『あ。』

さっきまで眠そうに俺の部屋の床で寝っ転がってたのに、ガバッと起きてケータイを掴む。

「……なに？新田くん？」

『うん。』

「明日の話？」

『そうー。明日7時にあそこの公園やわ。』

嬉しそうな顔して。なんか腹立つ。

最近ずっとAは新田と連絡とってて、学校でも割かし話してる。

挙句の果てに今年はあいつと花火大会行くねんて。毎年俺と行ってたやん。

俺と行って、かき氷食べて、Aはいっつもシロップよくばってジュースみたいになったって嘆いてたやん。

花火始まるってなったらお祭り抜けて誰もおらんような神社に2人で行ってそこから特等席やって言って毎年見てたやん。

あそこは俺らだけの場所やのに、そこにも2人で行くつもりなん？

薄々勘づいてた。明日、花火大会に行ってしまったら、Aは、新田のもんになる。

『あかん、寝そう……』

いつの間にかメールも打ち終わって、寝てしまったAを抱き上げて、自分のベッドに寝かせた。

腹立つくらい綺麗な顔で、けどこれが明日には。

衝動に負けて、口に、ゆっくりキスしてしまった。