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錦戸side
今日は仕事も早めに終わって、気分も乗るから自炊。
めっちゃ久しぶり。
下準備も終わって、フライパンの上に具材をのせた時に＿＿
〜♪
は？誰やねんこんな時に！出られへんわアホ！
と思って画面を見たら、
A A
うわ、まじか。これ多分今出られへんかったら電話でけへんやろ。
今日ももう直ぐ本番やん絶対。
空いてる左手を目一杯伸ばして携帯を取る。
「はい、もしもし。」
『あ、もしもし亮ちゃん？Aー。』
「何？どうしたん……あっち！」
『あ、もしかしてなんか作ってる途中やった？めっちゃジュウジュウ聞こえんねんけど。』
「いや、大丈夫大丈夫。ほんで何？」
『ごめんな、いきなり。あとのほうがいい？』
「いや、忙しいやろ。今でええよ。』
「ありがとう……なんかな、最近忠義が連絡つけへんねんけど……」
うわ、そういうことか。大倉、俺全部わかったぞ。
あの着信全部Aやったんやな。お前必死か。
「もしかして週刊誌のこと？」
『そう、ダイレクトに何してんねん！とまではいかなくても、電話したほうがいいかなとか思って電話してんのに全然でえへんねん。』
「まあ大丈夫やろ。あいつももうええ大人やし、週刊誌ごときで何もないって。」
『いや、でもそのなんていうかさ、彼女さんとも別れてもうたしさ、自暴自棄になってんのかなぁって。』
そういう自暴自棄じゃないけどね。君やで。
「それでも俺らおるし、まあ心配せんどき。」
『そうかな、変なことなってないといいけど。』
いっつも陽気なAがこんな声で話してんの初めて聞いた。
いっつもマルとかとアホなことばっかりしてはしゃいでんのに。
大倉のことでこんなんなって心配してさ。
俺がもし大倉みたいになってもこんな風になってくれんのかな。
「大丈夫やで。」
俺と幼なじみが良かった。
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作者名：れさ | 作成日時：2018年9月29日 22時
