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倉「おれAのこと好きかもしれへん。」
名前出てきてもしかしてとは思ってたけど、
さっきお前がポツリとこんなことゆってから、
変な緊張感と、表情のこわばってる感じを
ずっと感じてる。
わかっててん。
この日がいつか来るって。
けど、まだ来えへん、まだ大丈夫やって
どっかで自分に言い聞かせてた。
大倉とAは幼馴染で家も近くて、
大倉はジャニーズに入ってたし、
Aも芸能事務所の練習生やったから、
わかりあえるとこが多いのかよう知らんけど、
ずっと一緒やったらしい。
大倉の練習もたまに見にきてて、
俺はAが芸能事務所の練習生ってことも知ってたから、
そんときは、
ああ、やっぱり練習生は顔整ってんな、くらいやった。
けど、そのうち少しずつJr.のみんなとAが馴染みだして、
関西Jr.の間ではちょっとした有名人になってきて、
俺とも話すようになった。
あの頃はみんなアホやったから、
将来の可愛い歌手なんて、そらモテモテや。
明らかにAが来て練習態度が変わるやつとかもおったな。
無駄に話しかけまくるやつも。
それやのに、誰も告白せえへんかったのは、
大倉との雰囲気が、異質やったから。
あんな雰囲気見たことなかった。
恋仲ってわけでもないのに、なんでか異質。
それでわかっててん。
みんな、大倉とAはいつか結ばれるって。
おれらが手を出していいとこじゃないって。
みんな、大人になるに連れて、
昔あったAへの恋心なんて、いつのな間にかなくしていってた。
――はずやった。
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作者名：れさ | 作成日時：2018年9月29日 22時
