拝啓、くそったれの太陽へ

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瑠璃はナイフを片手にテーブルに何かを彫っている

｢これで289人｣

289、これは瑠璃が殺めてきた人数だ

｢楽しいな！｣

笑顔を浮かべている

とても無邪気な笑顔だ

まるで殺しなんて血生臭いものなど知らないようなそんな笑顔だった

するとﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝと呼び鈴の音が部屋中に響いた

｢お、来たかな？はーい、今いきます！｣

扉を開けると香ばしい匂いと共に1人の人物が目に入った

｢ド◯ノピザです｣

名札には佐藤と書いてある

｢ありがとうございます｣

瑠璃がピザを受け取り、代金を渡すと佐藤さんはそそくさと帰っていった

｢よし！食おう！｣

ペットボトルのお茶の蓋を開封して、ピザの蓋も開き、準備は万端だ

再度テレビをつけ適当な番組にする

しかし、時刻は18:30

ニュースしかやっていない時間だ

『ニュース速報です。今朝、政治家の松山一和さんが自宅の寝室で遺体で発見されたもようです。
専門家によると以前の田中英俊殺害事件の容疑者と同一人物のようでーーー』

｢あ、俺のことじゃん！｣

そのニュースについて番組のコメンテーターや専門家が議論を交わしている

『これさ〜どう言うことなの？』

『名高い権力者を狙った殺人なのでしょうか？』

『遺体には決まってタマリスク？の花が握らせられてるんでしょ？』

『でも同じ犯罪ケースがここ十数年に何百もあるんだよね？』

『だったら同一人物に見せかけた別々の人物たちの犯行なんじゃ、』

『そうとしか考えられませんね』

『だってそうじゃなかったら1人で何百人を殺してるってことになりますもんね』

『仮にそうだとしたら完全に頭おかしいですよw』

するとﾋﾟｯと音を立ててテレビは消された

｢何がそんなに悪いことなんだろ？みんな騒ぎすぎだよ｣

なんか胸がモヤモヤするな

そして一口、ピザを頬張る

｢…味…しないや…｣

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