初恋22 ページ24
Aside
ライブが終わり観客がぞろぞろと出る。
余韻に浸ってる子、感動して泣いてる子。
未だ興奮が冷めやらぬ子…。
和泉くん…トーク上手かったな。流石だなと思う。
人気のない場所にきて一息つく。
ここは指定された場所。
「よかった、来てくれて」
「いいよって送っちゃったからね」
振り向くとそこには和泉三月くん。
私より少し高い背。
昔より、しっかりした体つき。
「……私に話ってなに？」
「えっと…その……」
歯切れが悪く、目を泳がせる和泉くん。
だが意を決したように私を見る。
「俺、中学の時のこと後悔してた」
「私の告白のフり方？」
「それもあるけど一番はフったことを後悔してた」
でもその日からあなたは夢を見ていた。
アイドルになりたいと。
なら彼の選択は間違ってない。
「どうして？あなたはアイドルになりたいと思ってたのに」
「それでも他のやり方はあったはずだって思う」
他のやり方？
「他のやり方ってなに？あなたは私に何を言いたいの？」
「俺、知り合った時からお前のこと特別に想ってた」
真剣な顔に私の胸はドキドキを鳴り出す。
まるで口から心臓がでそうなくらいに心臓の音がうるさい。
「俺、あの時から」
だめっ…言わないで…。
その場に耐えられず私は逃げ出そうと踵を返す。
でもその腕を掴まれて彼に引き寄せられた。
そしてその勢いのまま、彼の唇が私の唇と重なる。
「…っ！」
「…はぁっ…」
彼は私から離れてこう言った。
「やっと俺から触れられた」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめみく - 三月結婚しよう(?) (9月24日 10時) (
レス) @page16 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏那子 | 作成日時：2021年3月29日 15時
