【アイナナ】初恋は叶わない【和泉三月】

初恋20 ページ22

Aside

つい受け取っちゃったけど…。

この席、関係者席じゃん。

そりゃファンの子にバレたらまずいけど。

「でも、だからと言って無理してまで…」

話によるとマネージャーさんに無理言って取ってくれたらしい。

「ほんと…今さらなんなのよ」

するとそこにラビチャが来た。

同時刻三月side

……もし、この日…あいつに告白したら何て言う？

もう遅い？あんなフり方しといて？大嫌い？

それとも…よろしくお願いします…？

なら聴いてみたい…かもしれない。

例え付き合えたとしても公表は暫くできないな。

でもだからと言って告白しなければ手遅れになるかもしれない。

俺はあいつを誰からも奪われたくない。

それが例え尊敬してる先輩でも。

信頼してる仲間でも。

唯一の弟でも。

あいつは誰にも渡したくない。

俺はあいつにラビチャを送る。

「ライブ終わったあと少し待っててほしい」と。

返ってきた返事は「いいよ」の一言。

少しは期待してもいいか？

フられてもいい、フられても当然なんだから。

フられたら受け入れるよ。

でも答えが貰えてない今ならあいつを奪われたくない。

それが俺の想いだ。

あいつが俺をどう思ってるのかは分からないけど。

「俺のこと、想ってくれてるなら俺はそれでいい」

その想いひとつでも欲張りだろうか？

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