初恋18 ページ20
Aside
「…またな、黒神…」
扉を閉めた後に私は目を開く。
「…寝込みにキスすんな」
キスしてくるなんて思わなかった。
棚に目をやると6本のガーベラ。
「6本なんて意味解ってるの?」
6本のガーベラの花言葉は「あなたに夢中です」だ。
「本当に私に夢中なら」
数年経ってやっとってこと?
「なんでまた…」
こんな気持ち、ずっと抱かないようにしてたのに。
誰にもこんな気持ち抱かなかった。
抱かないって思って決めてた。
「バカ……」
和泉くんの…バカ……。
胸が苦しい。
まるで心臓をぐっとつかまれたみたい。
ギュッとなる。
この気持ちを私は知っている。
でもあの日、私の想いは儚く散った。
春に咲き、散っていく桜のように。
それからずっと抱かないようにしてた。
この想いを思い出させたのは貴方。
もう、ずっと前から解ってた。
あの人がテレビに映ったときから。
ずっとそうだった。
そんな自分を認めたくなくて許せなくて。
告白したことをひどく後悔した。
アイドルになりたいから。
私はその夢に負けたんだと。
私が2回目に恋した人。
男らしくて、でも可愛らしくて、誰よりも元気。
誰よりも残酷で優しい…そんな人。
「ごめんなさい……和泉三月くん……」
ごめん、ごめんなさい…。
「貴方のことが……誰よりも、大好きです」
黒神A。21歳。
人生で2度目に恋した相手は初恋の人でした。
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なつめみく - 三月結婚しよう(?) (9月24日 10時) (レス) @page16 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏那子 | 作成日時:2021年3月29日 15時