警戒心を持て。【探鉱者】 (ページ7)

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7話ページ7

幽霊とかは存在しない。

存在しないものを恐れたってありゃしない。

「どうしてAは幽霊が怖いの？」

ニヤニヤしながらノートンが訪ねてきた。

イラッ。

「ねぇ何で～。」

イラッ。

「……襲われるかもしれないじゃん。怨霊とかに呪いころされたくない。」

チラッと拗ねたようにノートンを見る。

これで満足か。

「襲われるってwww怨霊に呪い殺されるwww」

お腹が痛そうに笑われた。

ブチッ。

「一回釣るぞ、クソ野郎‼」

蹴りを出すもさらりとかわされる。

「案外可愛いとこあるんだね～。」

「どうもありがとう。」

皮肉たっぷりで返してやった。

「じゃあAは僕に襲われる、っていう危機感はないわけね。」

「は…？」

次の瞬間腰が引き寄せられる。

「手…離してくれます？密着したくない。」

「僕だって男だ、って前言ったよね。こんな夜に男と二人きりで歩いてるなんて襲われる気まんまんじゃん。幽霊なんかより僕に危機感持ってよ。」

話し聞く気ないな、コイツ。

どんどんと距離が近づいていく。

上を見ればノートンの顔が間近にあった。

耐えられなくなって目線を反らす。

「顔赤い…可愛い。」
　

「うるさい…」

抵抗するもやっぱりびくともしない。

まずい、まじでまずい。

「二人とも何してるの？」

聞きなれた声が聞こえた。

「エマちゃん…！！」

エマちゃんが神にみえてきた。

「ちぇ～、いいとこだったのに～。」

「またノートンがセクハラしたなの？A私と一緒にゴールまで行こうなの！！私もイライさんとはぐれちゃったなの。」

よしそうしよう。

絶対こんな変態とはいたくない。

「うん行く行く。」

エマちゃんの方に行こうとしたらノートンに手を掴まれた。

「悪いけどAは僕のだから。」

「いつからお前のものに私はなったんだよ。」

「だからじゃあね、幽霊さん。」

「バレてたか……じゃあばいば～い。Aと一緒に肝試ししたかったな～。」

そういうとエマちゃんが消えた。

「は…？」

ーーー

その後肝試しは終了した。

なんでもAとノートンがガチの幽霊にあったらしい。

Aは真っ青な顔をして今にも倒れそうだ。

ノートンは「幽霊までもAを…」と言っている。

二人をみてナワーブは思った。

反応が両極端だな、と。