★74 ページ30
あ「風間さんに頼んで目の前で遺言書かせるんだから。」
雅「あ、遺言、もう作ってる。」
あ「用意周到ですね。」
雅「準備が早いって言ってよ。」
あ「お墓の場所を宇宙にしてとか書いてないよね？」
雅「えー、宇宙はヤダなぁ。」
あ「とんでもない場所に遺骨ばら撒けとか書いてそ。」
雅「同じ墓じゃないなら良いってのは言ってる。」
先祖代々の墓ってあるじゃん？
そこに一緒に入ろうとは思えない。
あ「お兄さんと、一緒じゃ嫌？」
雅「・・・兄ちゃんは好きだった。でも、兄ちゃんと一緒って事は親とも一緒でしょ？俺が自由になった意味がねーもん。」
あ「私、お姉ちゃん嫌いなんだよ？」
雅「別にしてって書けば良いんでしょ？」
あ「よーくわかってらっしゃる！」
このままだと、Aのねえちゃんが同じ墓に入ってきそう。
あ「その前に、同じ墓に入る権利を取り上げなきゃ。」
雅「そんな事出来ないでしょ。」
出来ないよ。
向こうの方が一枚も二枚も上手なんだもん。
金に物言わせるってほんと、どーかしてる。
あ「まーくん。」
雅「なにー？」
風が少し強い。
波が高くなってきた気がする。
あ「私に任せてよ。」
雅「なにを？」
あ「私に、まーくんの命頂戴？」
何の冗談？
Aを見ると、
さっきまで泣きそうだった目は、
意思を持った目に変わってた。
俺を見て、笑って、
あ「私が、まーくんを自由にしてあげる。」
「何も出来ないお嬢さん」だった子は、
誰よりも強くて、綺麗で。
あ「「何も出来ないお嬢さん」だけど、まーくん1人くらい、私が自由にしてあげる。」
一体、どこからその自信が出てくるのか・・・
だけど、
雅「今でも十分自由にさせてもらってるから。これ以上言うと、本当に連れ戻される。」
俺の自由は、俺の意思で決まるものじゃない。
色々厄介な立場なんだよ。
本当は、Aとこんなとこに2人っきりでいる事もダメな事なんだよ・・・
命は有限で。
その僅かしかない時間を、盾にとって今がある。
雅「俺は、1年だけで十分。」
コレは、勘だけど・・・
俺には、その1年という時間すらない・・・
あ「・・・その時間を延ばす事が出来るとしたら？」
その本当の意味を、Aは理解してない。
だから・・・
俺は今のままで良いんだよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜菜(プロフ) - ともさん» おはようございます！今回は何故か会話が浮かぶんです(実は初めてw) ミステリアスなお話しですが、実は、今回は色々いつもと違う感じを取り入れました(笑) 毎日暑いですね(--;)ともさんも熱中症にはお気を付け下さいませ！ (2019年8月7日 7時) (
レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - 神無月さん» おはようございます(^^)漸くコチラに来れました(夏休みで甥姪が来てた(--;)) 越えてますか？今回どのキャラクターも濃すぎて扱いが大変ですwww毎日暑いですね。神無月さんも、お身体ご自愛下さい(^^) (2019年8月7日 7時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - あっちゃんさん» おはようございます。返信遅くなりすみません！暑いですよね(--;) そちらも暑いんですね。日本で涼しい場所が浮かびません。。。あっちゃんさんも水分しっかり取ってお身体ご自愛下さい。更新頑張ります！ (2019年8月7日 7時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんちは！やっぱり菜菜ちゃんの描く世界は面白い♪会話のテンポと良いお話にミステリアス的な？この先も楽しみに待ってまーす(*^^*) (2019年8月6日 11時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - お久しぶりです。何となくこの先の展開を予想するのに、軽く想像を超えてくれるので、もう楽しみでしょうがないです♪でも毎日暑いから体調に気をつけてくださいね！ (2019年8月3日 23時) (レス) id: 554c0a0abd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜菜
| 作成日時：2019年8月1日 3時
