Past of scar 【MA】 (ページ39)

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だからと言って、俺がどうこう出来るわけじゃないし。

俺も、彼女の事、中途半端にしたまんまだったし。

人の事をとやかく言える立場じゃないのはわかってたから。

だから、別れてなんて言えなかった。

雅「それ、俺に聞く？」

あ「確かに、浮気されてるまー君に聞くのもおかしな話だよね。」

雅「アイタタタタ、心の傷えぐるなよ。」

あ「もっとえぐってあげようか？」

わざと胸を押さえて、大げさにして。

ふざけてないと、無理してでも笑ってないと、二人とも、何かが崩れていきそうな気がして怖かったんだ。

・

「「「「ハッピーバースデー！A！！！」」」」

結局、Aの誕生会は、香菜さんの家でパーティーをする事になった。

Aが入院中にバッタリ会っちゃった香菜さんは、Aが言う程、怖い人でもなく、やっぱりAのお姉ちゃんなだけあって、綺麗な人で、Aよりもだいぶ、イヤ、かなりシッカリした人だった。

雅人さんとは、これが初めてだったんだけど、松潤とAから色々話を聞いていたのもあって、人見知りの俺でも、すんなりと溶け込める事が出来た。

翔ちゃんの先輩になるらしいんだけど、頭良くて、エリートなのに、気取ってなくて、

雅人「雅紀って、俺と同じ字じゃん！じゃぁ、俺もジャニーズイケる？」

雅「ムリだと思うよ。」

気が付いたら、敬語なんて使わなくなってた。

姉「ねーねー、まー君って、Aのピアノ聞いた事ある？」

切り出したのは、香菜さん。

雅「ないですけど・・・」

姉「ビデオがあるんだけど、見る？」

雅「見たい！」

あ「え、それっていつの？いつのかによるよ？」

姉「去年、バーで弾いてたやつよ。」

あ「ん？あ、あぁ！だったら大丈夫！」

雅「何かダメなモノとかあんの？」

あ「高校生の時のとかだったら恥ずかしいじゃん。」

姉「お望みならば、女子高生のAが弾いてるのもあるけど・・・」

ニヤリとして、俺を見る香菜さん。結構、イイ性格してんなぁ。

雅「え！？マジ？それも見たい！」

あ「ダメ！それはダメ！絶対ダメ！」

速攻で阻止するんだけど、何がダメなのか全くわからない。

姉「女子高生のA、超可愛いよ。後で貸してあげる。」

こそっと、小さな声で約束してくれた。

ビデオでみたAは、正直スゴかった。