Past of scar 【MA】 (ページ35)

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あ「でしょ？早く家、出てあげたいんだけど、今仕事してるわけでもないし、親に言ったら帰って来いって絶対言うのわかってるからさ、中々ね。」

まぁ、婚約中なんて、1番ラブラブな時期じゃん？

そりゃ、気も使うよ。

歩きながら、Aの話を聞いてた。

雅「親、帰って来いって？」

あ「まぁ、大学辞めちゃったし。お姉ちゃんも私もコッチに出ちゃったでしょ？だから、家の事考えたら本当は私が帰って手伝った方が良いのもわかるんだけどね。」

雅「そりゃあんだけの事故に遭ったんなら、心配にもなるんじゃない？」

あ「そうそう。でも、帰るってなると、こうやってまー君とも会えなくなるんだよね。」

寂しそうに言ってたけど、俺、自惚れても良い？

俺と離れるのが寂しいって思ってくれてるんだよね？

雅「でもさ、帰りたくないんなら、帰らなくていいんじゃない？実際、俺もAと会えなくなるのはイヤだ。」

あ「でも、お姉ちゃんに甘えていいのかな？雅人兄にも悪いし。」

雅「あのさ、ずっと仕事しないってわけじゃないんでしょ？だったら、仕事決まるまで、姉ちゃん家いればいいじゃん。それに、俺ん家とか来てもいいんだし。」

あ「まー君家？」

雅「俺、こう見えて一人暮らしだし、気使わなくても良いでしょ？病院であんだけ一緒にいても大丈夫だったんだし。」

最もな事言って、ただ単にAと離れたくなかったんだ。

あ「そう言われると、そうな気もするけど、行った事ないし・・・。」

雅「じゃぁさ、今から来る？」

あ「え？」

雅「いいじゃん！そうしよ！そっちの方が周りも気にしなくていいし。俺あったま良い！」

あ「頭良いかは別として、確かに周りは気にしなくて良いかもね？」

雅「じゃぁ、決まり！」

そう言って、俺ん家に初めて自分から誘った。

本当は、あわよくば的な？事も考えてたんだけど・・・

やっぱりヘタレな俺には出来なかった。

・
・

それから、時々、Aが俺ん家に来る様になった。

終電で帰る日もあれば、泊まったりする日もあるんだけど・・・キス以上の事が出来なくて・・・

は？嘘でしょって？

イヤイヤイヤ、俺にだってあったの！！

ビュアだったの！！

え？ニノとデキて？

ないよ！！

いや、シタいよ！

今も超ヤリたい！

じゃなくて！

簡単に好きな子に手なんて出せないって、こん時初めて知った。