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あ「グズ、ひろさんが、ズッ、昨日の夜に、ズッ、持ってきたの。」
泣いたせいで、鼻声のA。
充電器持ってきたって、ひろさん・・・一体何者？
携帯を手に持って、
二人で
「「せーの」」
で携帯の電源を入れた。
記憶のない2ヶ月間が、携帯の電源を入れる事さえも出来なくする。
自分が一体何をしていたのか、わからない。
人は、2ヶ月もあれば変わる。
更に、Aには、動かない左手。
ピアノを弾く人にとって、指が動かないのは死活問題。
特に、Aは音大に行くほどピアノが大好きだったはず。
Aには、一瞬で失ったモノが大き過ぎた。
・
待ち受け画面は海と空の風景。
慣れた手つきで、メール画面を開き、問い合わせをすると・・・
あ「すごッ！！」
雅「何？わっ！すごいね。」
そこには、未読メール100件を超えていて、
画面を下へスクロールさせると
潤君の文字が見えた。
あ「まー君見て見て！」
そこには
俺の踊ってる姿の写メが添付してあって、
― コイツのせいで、終わらねぇ〜
あ「あははは！」
松潤・・・覚えてろよ、、、
Aは、松潤とのメールを見ながら「へー。」とか「ふーん」とか、時には「ぎゃははは」と笑ったりしてて、
なんだよ。そんなに松ひろとのメールが楽しいのかよ。
ちょっと不貞腐れる。
あ「まー君？」
雅「なに？」
自分で思ってたよりも不機嫌に答えてしまった。
あ「クスクス」
笑ってるA。もう、なんなんだよ！
Aが、いきなり、俺の頬を指でツンツンしながら
あ「まー君♪」
なんか楽しそうですね！
こうなったら、思いっきり拗ねてやる！
あ「何？潤君に妬きもち？」
また、俺に寄ってくる。
近くに寄るなとは言えなくて顔だけそっぽを向くと
あ「潤君のメール見てたらね、私の知らないまー君がいっぱいいて、夢中になっちゃった。」
雅「え？」
あ「ほら、見て見て」
Aの受信フォルダの中には
いつ撮られたかも気付いてない俺の写メがあって、
弁当食ってる俺
― まーのやつ、俺の弁当まで食べやがった
ソファーで寝てる俺
― 俺の寝床取られた
ニノとフザけてる俺
― こいつらバカでしょ？
出来ないウィンクしてる俺
― 放送事故だろ
笑ってピースしてる俺
― 一応スーパーアイドル相葉ちゃん！
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作者名：菜菜
| 作成日時：2017年3月25日 4時
