Past of scar 【MA】 (ページ13)

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雅「こうしてたら、俺、見えないから、だから、泣きたい時は、泣いて良いよ。」

Aは、俺のTシャツをギュッと握りしめていて、

こん時には、もう、この子を守らなきゃって、なんか、勝手に思ってた。

先の事を考えると、不安で眠れなくて、でも生きてるだけマシだって言いきかせて。

なんで？

なんで私ばっかり？

私が何かした？

記憶のない2ヶ月間に、自分に何があったのかもわからなくて。

それが更に不安を大きくする。

細くて華奢な身体を壊れそうなくらい抱きしめて

俺じゃダメ？

俺が側にいるから、

俺がAを守るから

だから

俺と一緒に生きてよ。

そう、思った。

・

あれから、よく二人で一緒にいる時間が多くなった。

一緒にゲームしたり、話したり。

Aといる空間は居心地が良くて。一緒にいて気を使わない。

俺の病室で、二人でベッドに腰かけて、Aは足をプランプランさせながら漫画読んでたと思ったら・・・

―バサッ

「Aちゃん？」

上半身だけ横になって、寝てる・・・

そっと寝顔を見ると、ずっと病院にいるからか、色が白くて、唇がやたらと赤くて、なんだか眠り姫みたい。

スースー寝てるAの頬に手を添ると、

柔らかい頬、

赤い唇をなぞると、

キスしたいなぁ・・・

って、ダメだろ。ココ病院だし。

雅「・・・ったく、無防備過ぎ。」

ココが病院じゃなかったら間違いなくキスしてた。

キスで済んだかな？

理性を総動員させて、プランプランしてる足をベッドに置いて、そっと毛布を掛けた。

・

その日は昼からAのリハビリに付き合ってた。

左手が上手く動かないみたいで、

指を一本一本動かす動作を繰り返したり、軽いゴムボールを握ったり

普通に出来る動作が、Aにとっては、スゴく難しい。

それに、筋肉が固まってたりするから、痛いんだって。

それでも、普通に生活するくらいには回復出来るって言われて、

あ「う～・・・」

雅「わぁ、スゴいスゴい！」

Aは、額に、汗かいてて、

それくらい、エネルギーを使うんだって。

隣に付いてリハビリに付き合ってると、

「まー？」

声を掛けてきたのは松潤。

潤「病室行ったらいないからさ、ナースステーションで聞いたらココに居るって聞いて。何してんの？」

雅「松潤！ごめん！友達のリハビリ付き合ってたの！」

俺の近くにきて、Aの方を見た松潤は、元々大きな目を更に大きくした。