★3 ページ3
そうだよ。ここは、脳外だった・・・
Aの顔から、笑顔が消えた。
俺も、どうして良いのかわかんない。
「パパ！ママ！」
女の子はパパとママの所へ駆け出して行く。
パパママって呼ばれた2人は、
ママが車椅子に乗っていて、パパがそれを押してた。
この子が文字が読めたり、簡単な漢字まで書けるのも・・・
その姿を見て、なんとなくわかってしまう。
パパの方が、俺達に向かって、会釈する。
それに、返すけど・・・
ママは会釈すら出来ないんだと思う。
椅子から立ち上がったAが、その2人の所へ行く。
俺も、それに着いて行くと、
あ「こんにちは。あの、耳は・・・」
自分の耳を触りながら、聴くと、
「娘がすみません。あ、耳は聞こえてますが、言葉が出なくて・・・」
すると、メモ用紙を鞄の中から出して、何かを書き始めた。
それを、ピリッと破って、ママへ渡すと、
あ「ウチにも、同じ年の男の子がいるんです。元気が良くて大変ですけど。」
そう言って、微笑んだ。
ママは、表情を出す事が難しいのかな？
でも、その目は優しい。
あ「優しい娘さんですね。」
すると、そのママが、
「あ、あい、よ、ううお」
Aは、聞き取れるように、ママの口元に耳を持っていき、
「あい、あお」
半身が完全に麻痺してるから、話す事も出来ない。
だけど、伝えようと必死になってる。
「僕も、思います。きっと、息子さんも、ご主人に似て、優しい子になってくれますよ。」
あ「え〜？主人に似たら、大変！皆んなに愛想ふりまして、女の子泣かせちゃう！」
雅「ちょっと！俺、めっちゃチャラいやつじゃん！」
あ「え？自覚ないの？」
昔ならわかるけど！
今は、そんなにチャラついてない！
そのメモ用紙には、
【パパとママが大好きって言ってましたよ。】
そう書いてあった。
その親子と別れて、外に出ると、
夏の強い日差しが照りつける。
雅「日影にいて。車回してくるから。」
あ「カーデ着てるから大丈夫。歩きたい。」
でも、アレルギー出ると大変じゃない？
あ「少しでも、自分の足で歩きたい。」
いつか、歩けなくなるかもしれない。
喋れなくなるかもしれない。
怖いんだ。
本当は、Aは、さっきの、あの女の子のママの姿を見て、かなりショックだったはず。
俺も、そうだよ。
あ「痛いんだって。」
雅「え？」
あ「すっごい、体験した事ない、頭痛なんだって。」
Aが七夕の短冊に書いた願い事が、
頭を過ぎった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 278人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜菜(プロフ) - ともさん» 私も、ともさんに出会えて本当に良かったと、いつも思ってます(^^)「踏ん張れ」って、目から鱗でした！私もともさんか大好き(ハート) (2018年5月8日 3時) (
レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - ともさん» こちらにまで、ありがとうございます！いやぁ、、、ウチの旦那君、大変ですwでも、よく私の事をわかってるなぁ。と思ってしまいましたw (2018年5月8日 3時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 菜菜ちゃん…本当におかえり(*^^*)私には想像すら出来ない事がたくさんあるんだろうな…って思うだけで涙が止まらない(ToT)何だかんだ言っても…まーくんが側に居てくれるから今があるのかな(*^^*)素敵な作品に出会えて…菜菜ちゃんに出逢えて良かった(*≧∀≦*) (2018年5月3日 9時) (レス) id: 3ed79bfe04 (このIDを非表示/違反報告)
菜菜(プロフ) - あやかさん、お読み頂きありがとうございます(^^) お気持ち伝わりました(^^) このお話しは「嫁」の証言を元に描きましたw今、描かなきゃ!との思いからキーボードを叩きました。私にとって記録の様なお話しです。感動まで頂きありがとうございました。 (2018年3月10日 9時) (レス) id: a6c2e2ee1e (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - すごく感動しました!!!!!!涙があふれてあふれて...とぉっても感動しました!!!!!!文章じゃ伝わらないかもなんですけど本当に感動です！永久保存ものです！この作品に巡りあえて奇跡です！ありがとうございます！長文失礼しました(笑) (2018年3月9日 12時) (レス) id: 4295209bde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜菜
| 作成日時：2018年2月17日 5時
