白い恋。【永瀬廉】

森の奥 ページ1

。



『いい？森の外には絶対に出ちゃダメ』


『"外の人間とは触れ合わないこと"』




小さい頃からずっと言い聞かされてきた。
約束も全部全部守ってきた。



生まれた時からいるこの小さな森は
動物も沢山いて、お水も綺麗で素敵な場所だった。



生まれつき肌も髪も全部が白色な私の身の回りは
同じ肌色髪色をしている人たちばかりで、
それがあたりまえだとおもってた。



この森に住んでる人達は、約数10名。
お世辞にも多いとはいえない。



けれど、ママやパパ、お友達に
おばあ様やおじい様方も沢山居てちっとも寂しくなんかなかった。






。







『おばあ様、おうちの近くに綺麗なお花が咲いているのよ』

『おばあ様に見せてあげたいから、ちょっと待っててね』





ある日、おばあ様にお花を見せてあげようと
家を出た時だった。





「ヤツらだ!!ヤツらがきたぞ!!」




近くのおじさんの声で、
あたり一面騒がしくなった。




『え？何？どうしたの、？』




「A!!家の中に入るんだ!!さあ!!早く!!」




尋常じゃないおじさんの荒ぶった声に、
少し恐怖を覚え、急いで家の中へと入った。




パアァァァァン




それから数秒後、
今まで聞いたことのない大きな銃声が耳を劈いた。





12歳の春だった。






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