ヘタリア　短編＆小ネタ集

キスシーンってカメラの角度でどうにかなりませんか？　　　１ ページ9

朝と付き合ってる設定です。一線越えてるかはご想像にお任せします。

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俺の彼女は今大人気の女優である

Aは自慢ではないがかわいいんだ。自慢じゃないぞ。
そこらへん勘違いしないように

そんな彼女が困りに困ったような顔で俺に話しに来たはず
なのだが
さっきからその内容を話そうとしてくれない


「で、話ってなんなんだ？」


「それは・・・・その・・・」


「お・・・怒らない？」


「話の内容によってだが、怒らない」


彼女はその言葉でほっとしたのかぽつぽつと話し始めた

「あのね・・・・こんど月９に出ることになって
　それで、ある人と恋人役をやらせてもらうんだけど

　その人とあるシーンで・・・・・・・・あの・・・

　キスシーンやんなくちゃいけなくて」


「はぁ！？」


俺が情けなく言葉を漏らしたのは決して「そんなことかよ〜」というわけではない

「なんでキスシーンなんだよ！？カメラの角度でなんとかなんねェのか！？」


そんなのカメラの角度でごまかしてどうにかしやがれ
なんでそんなことのためにアイツのキスを渡さなきゃいけないんだ

「それが、監督がキスしてるところをそのまま絵にしたいって言ってて」


「・・・・・どうしても、その役降りれないのか？」


「うん・・・・・ごめんなさい」


「別に、謝らないでいい」


冷たく言い放ってしまった
これじゃあAとの約束を破って怒っているみたいじゃないか
・・・・違う。怒ってる・・・か


「怒らないの？」


「怒ってない」


「・・・・そう」


「って言ったら嘘になる。
　俺がそういう奴だってことくらい知ってるだろ？」


「うん・・・・」


もうこの話はやめよう
こんなことで彼女との数少ない貴重な時間を潰したくない

モヤモヤした気持ちが俺の心の中を埋め尽くしてる
本当だったら今すぐその相手の野郎に会いに行って
ぶん殴ってやりたい

嫌で嫌でたまらない
渡したくない。他の奴なんかとそんなことさせたくない。させない

と、いいたいところだが
こんなところで俺が野郎を殴りにでもいったら
Aに迷惑をかけてしまう。それだけはさけたい

俺がこんなに独占欲があったとは思ってもみなかった

結局重い空気のまま朝になりAはドラマの撮影に行ってしまった。

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