ヘタリア　短編＆小ネタ集

文字から伝わる　　　　１ ページ41

ペラリ、ペラリ、


部屋の中では紙をめくる音しか響かないほどに静かだ

書斎にしては大きすぎるこの部屋にある、おそらく仕事用だと思われる机
その机の上にあるのは、数え切れないほどの量の書類があった


書類の山に囲まれている豪華な椅子に座りながら
ただただ、書類に目を通している一人の少女


あるとき、ふと何かが吹っ切れたように書類を勢い良く机に叩きつけると
この広すぎる書斎に大きく響きわたるほどのため息をつき
メガネを外しながら椅子に深く座り直す


「まったく、くだらないものを書く奴が多過ぎるな」


誰に聞かせる訳でもなく一人ごとのようにつぶやいたそれは
彼女の普段は言えない本音でもあった


最近は毎日書類と睨み合いをしなければならない生活なうえに
あまりにもつまらないものを送ってくる奴らにも苛立ちを感じる


だいたい、こんなもの送り付けてくるなよ、殺す気か？しばくぞ


とか心の中で文句を言う


幸いここは誰にも入ることを許していない、ここらで気分転換にでも普段いえていない本音をすべてぶちまかしてやろう。と心に決める


そうと決まれば、さっそく実行だ


「まず、文才がなさすぎる。表現があまりにも薄い、そのキャラクターのひとつひとつの動作ってのは大事なんだよ。基本すらなっていないで作家だぁ？なめてんのか、本当。もうちょっとストーリーを練るとか、魅力のあるキャラにすることを心がけるとか、続きが見たくなるような展開にするとか、そういうこと考えつかねぇのか？・・・・・いや、考えても表現できないからあんなもの書くんだよな、きっと。それに、なんだかめんどくさがっている、っていうのもこっちに伝わってきて、読んでも面白くともなんともないっつーか・・・・本当にさあ(以下省略」


はぁ。とまたため息をひとつ。なんかいちいちため息してる感じがするんだが、気のせいだろうか


ふと、目についた書類を手に取り、名前を見る・・・・ん？
そういえば、この名前・・・・・どこかで・・・・・


書かれていた名前は、「ホンダ・キク」


名前からして東洋人の類か、はて、どこかで会った気もするのだが・・・・
んー・・・・最近書類と格闘しすぎて時間間隔も記憶も曖昧だ


まあ、いいだろう。いずれ思い出すだろうし


結論づけてから、キクの作品を見ることにした


作成中

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