空に咲く櫻 (ページ38)

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君と共にページ38

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翔子が旅立ったあと

俺はやりたくなかったけど病室の片付けをしている

翔子がもういないことを痛感する

物が少ないからすぐに終わってしまうだろう

そう思ったけど出てくる物ひとつひとつが

翔子との思い出を蘇らせて涙が止まらない

引き出しって何か入れてたっけ？

そう思いながら中をみるとひとつの白い封筒

表には翔子の綺麗で、でも少し幼い字で

『大野智様』

と書かれていた

翔子の俺への手紙…？

俺は中の紙を丁寧に取り出して読み始めた

バカ、

俺はそんな、すごい人じゃねぇよ

なんもしてあげれてねぇんだぞ

約束すら、守ってあげられてねぇんだぞ

結局、翔子を守れなかったんだぞ

言いたいことはたくさん

でも君に届ける術はもうない

君は最後に、俺にこの手紙を遺した

俺はちゃんと君に、なにかを残せただろうか

俺は、翔子を決して忘れないよ

どこにいても、どんなときでも想ってる

“ 来世でまた会おう ”

気づけばもう太陽が沈み始めてる

淡い赤の光が窓際に佇む俺を優しく照らしていた