ボール ページ21
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時は過ぎ
気づけば高校生活最後の大会
しかも決勝戦まで来ることができた
三年は勝ちたいという一心で試合に臨む
よし、最後まで諦めないぞ！と
気合を入れなおしていたら
「翔くん、優勝したら話がある。」
それだけ言って智くんは自分の持ち場に戻った
え？話？なんの？
気になって
試合に集中できなくなるところだったけど
智くんの話は優勝しなければ
聞くことができないからと
なんとか集中力を保つことができた
結果は見事、優勝
俺たちの高校が優勝するのは実に三年ぶりらしい
嬉しい
今までの先輩たちの敵討ちができたみたいで
なにより最後の大会で優勝できて
この時は忘れてた
智くんから言われていたことを
学校に戻ると先生も生徒も大盛り上がりで
とってもたくさんの人たちが祝福してくれた
智くんはキャプテンで
俺は副キャプテンだったから
ひとこと求められて
でも正直、なにを話したのか分からない
多分すごくメチャクチャな言葉だったんだろうなぁ
先生の解散の合図で部室を飛び出す生徒たち
俺たちも例外ではなくて
「智くん！帰ろ！せっかくだからどっか寄り道でもする？」
「じゃあ、おいら行きたいとこあるんだ。そこでもいい？」
「いいよ！じゃあ行こ！」
どこに向かっているのか分からないけれど
怖くなんかない
不思議と隣に智くんがいれば大丈夫な気がするんだ
「ここだよ。俺が行きたいって言った場所。正確には翔くんを連れてきたかった場所だけど。」
「すごくきれー！ほんとにすごいね！」
智くんが連れてってくれた場所は
街全体が見渡せれる少し高くなった場所
今の時間帯は家が淡い赤の光に照らされていて
ほんとにすごくきれい
「でもなんで俺をここに連れてきたかったの？」
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作者名：虹 | 作成日時：2018年2月7日 20時
