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十話『ふむふぬ?摩訶不思議』 ページ10

この世界に、時代に、分不相応なのは自分だと思う。それはわかっているのだ。


喉が乾いていく。


表情は変わらない。


口も何故だか開かない。


よくわからないが…


「俺が鱗滝さんのところにいる理由は今の所ないよ。君は鱗滝さんと知り合いなの?」


「…ああ」


「そっか」


聞いた割には答えを知っているようなもんだったせいで薄い反応にしなってしまった。


もしかしたら気づいていないだけで俺も口下手なのかもしれない……とつい最近来ていた冨岡さんを思い出しながらこの微妙な空間から抜け出そうと口を開く。


「質問はそれだけ?なら、俺はもういくね」


「まて」


ふぁい


今がっつり帰ろうと回れ右したら丁度まてがかかったよ。内心で出た裏声になった返事はなんとか表に出さずに済んだが、表情筋崩壊もいいところだ。


まったくの真顔であるが。


「お前……息してるか?」


ひどく真面目に真剣にに言われた言葉が何回も体の中で反芻する。


オマエイキシテルカ?


……お前


息してるか?





…?


……!?


考え込んでは見、を何回もし、ほぼ三度見を成功させた俺はやっと理解できた言葉の意味を馬鹿なんじゃねーの!?と叫びだしたくなった。


息してなかったら死ぬわ!


…と思いつつも心配になってきて、片手で口元を覆って息をしているか確認する。


ほっ


よかったわしてたわ。驚かせんなよびっくりしたわ。


「勝手に殺すなよ怖いなぁ」


少しばかりか眉間に皺を寄せながらどんどん腹が立ってきたので、もう呼び止められても振り向かないようにズンズンと少年から背を向けて帰路に着いた。


あいつ喧嘩売ってんのかな?息してるかとか初めて言われたわ。

十一話『そろそろしょっぴくぞ』→←九話『さてはて?不思議』



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空太郎(プロフ) - smowさん» 続きすごく遅くなってすみません!あとコメント遅くなってすみません。コメント嬉しいです。ありがとうございます┏( .-. ┏ ) ┓ (2019年11月28日 22時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)
空太郎(プロフ) - のんのさん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます!! (2019年11月28日 22時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)
smow - つ…続きが…気になり…ます…こ…更新…頑張って…ください…(バタッ (2019年11月5日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - とても面白いです!ステキな作品ありがとうございます!更新頑張って下さい! (2019年10月17日 21時) (レス) id: 56647d4dca (このIDを非表示/違反報告)
空太郎(プロフ) - ギルさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しいです。十九話のは普通にこんなだったっけなーというテキトーの元書いたので、今ツッコマれて初めて気がつきました笑 (2019年8月7日 1時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空太郎 | 作成日時:2019年6月2日 11時

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