三十八話『嫌いだけど、好きじゃないわけじゃない』 ページ38
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昔の話だ。
小学校低学年……確か、2年生の春だったかな?
雪解けが始まっていてそこから植物が力強く成長していく様を見るのが好きな季節だった。
学年は変わってもクラスは変わらず、それでも1年も経てばみんな学校のあれこれやしてはいけないこともわかってそれを犯す開拓者たちは総じて悪者にされたり英雄にされたりと色々だった。
僕はその頃はまだ外でサッカーとか鬼ごっことかして遊ぶくらいには元気いっぱいな子供だった。でも、そこまで目標もなく、ただ遊んで、言われたままに勉強して、ご飯を食べて、寝て起きて、一日一日をまるで虫のような自分にとってあまりに害意になりえないものだと思っていた。
だからといって死にたい願望があったわけじゃない。
ただ、面白みにかけていて、何かが欠落していた。
勉強は好きでも嫌いでもなく、ただ、将来の役にたつからと先生がハキハキと教えてくれるものだと思っていた。
記憶が曖昧だから細かいところまで覚えてはいないが、頭も悪くはなかったはず。
でも、こんなにも朧気な記憶の中で一線だけ、絶対的に覚えている記憶がある。
2年生になりたてで、一年前のような新しい自分たちと似た新品な後輩が新たに来たことによって心変わりというか、大人ぶりたいおませなお年頃なそんな頃。
事件は起こった。
案件はいじめ。
2年生から起こるのは普通なのかそれとも特殊なのか……それは定かではなかったけど、その頃『いじめ』という単語すら知らなかった俺はそれを軽んじることもなければ重苦しく考えることも無かった。どうでもよかった。
他のクラスメイトはそのいじめについて影でヒソヒソと言うだけで関わろうとしなかった。
だけどそう案件は逃がしてはくれなかった。
今思い出せばまるで漫画の世界の出来事のような修羅場にあったもんだと鼻で笑えるのだが、当時はそうでもなかった。
男子トイレでいじめられていた男の子が、罵詈雑言を浴びせられてバケツの水をさらに浴びせらていた。
罵声も水も浴びせられてばっかな男の子とバチリと目が合って、別に気まずかった訳でも無いのに、なぜだか逃げ出したくなる衝動が俺を襲ったのを覚えている。
その後、いじめははたりとなくなり、また別の誰かが被害者になったりと中学でも変わらなかった。
_____現状はいつも苦しいことばかりだ。
岩は斬った。
それと同時に無償に家族に会いたいと思った。
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空太郎(プロフ) - smowさん» 続きすごく遅くなってすみません!あとコメント遅くなってすみません。コメント嬉しいです。ありがとうございます┏( .-. ┏ ) ┓ (2019年11月28日 22時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)
空太郎(プロフ) - のんのさん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます!! (2019年11月28日 22時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)
smow - つ…続きが…気になり…ます…こ…更新…頑張って…ください…(バタッ (2019年11月5日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
のんの(プロフ) - とても面白いです!ステキな作品ありがとうございます!更新頑張って下さい! (2019年10月17日 21時) (レス) id: 56647d4dca (このIDを非表示/違反報告)
空太郎(プロフ) - ギルさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しいです。十九話のは普通にこんなだったっけなーというテキトーの元書いたので、今ツッコマれて初めて気がつきました笑 (2019年8月7日 1時) (レス) id: fc11c81670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空太郎 | 作成日時:2019年6月2日 11時