君の王子様だから ページ38
丸ちゃんside
「で、彼女ちゃんは…」
「大丈夫、もうすっかり眠ちゃってる」
心配した章ちゃんが電話をかけてくれた
ふにふにとほっぺたに滑らせ、Aちゃんの前髪を撫でた。
「丸？」
「ん？？」
「……ちゃんと守れよ」
「うん…当たり前やん」
「ばいばい」と言い合って、章ちゃんと電話を切った
不安になっているのは俺の方かもな
だって今…
震えが止まらへん
Aちゃんを前にして、やらなきゃあかんことは分かってる。だからちゃんとして…でも上手く行かなくて
結果、お互い不安になってて
「守るって言うたのに、なんでこんなヘタレなんやろ」
男の中の男！丸山隆平！！！しっかりしろ！
俺は……絶対、絶対！Aちゃんを守ってみせる！！
……って、確かに昨日そう僕は決意しました
だから急遽、Aちゃんの実家にご挨拶に行った
でもなんて言うか、この状況どこかで見たことある……
「娘は渡さん…！てか君は誰だ！！」
「えっと、お父さん！僕は関ジャニ∞というアイドルグルーp((」
「どこの誰かもよく分からん奴にお父さんと呼ばれる筋合いはない！！！」
パタンッ
お父さんが出て行ってしまった
守る前に信用を得ないと話は始まらない
「すみません…来て下さったのに」
「いえいえ…僕がどうしてもご挨拶したかったので」
「良かったら夕ご飯食べて行ってね、丸ちゃん♡」
「ちょっと…お母さん」
「この子の話でずっと丸ちゃんって言ってるからお母さんも移っちゃって」
「そんなそんな！お母さんに丸ちゃんって呼ばれて嬉しいです！」
よ、良かった。お母さんはすごく優しくて料理も美味しくて…Aちゃんが料理上手なのもお母さん譲りかな
「お母さん…Aちゃんを産んでくれてありがとうございます…僕が必ず娘さんを幸せにします」
「…丸ちゃん」
「こんなに素敵な人に巡り会えて、お母さん安心した(^ ^)お父さんのことは気にしないでね？丸ちゃん。」
……
また行くことを約束してAちゃんと家を出た
「今日はありがとう。朝はいきなり言うからびっくりしたけど…でも嬉しかった。ずっとね、私も前に進みたかったの。丸ちゃんにばっかり背負わせてて、いつも引っ張ってくれて…ありがとう丸ちゃん」
「……」
あぁ…男が泣くのはちょっと違う気がする
でも隣に居るAちゃんがどんどん霞んで
「ごめん、今額から汗が止まらない…」
「…丸ちゃん」
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作者名：なな | 作成日時：2018年6月10日 22時
