一目惚れ (橙) 2 (ページ26)

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丸ちゃんside

気づいたらお昼を過ぎていた。

こんな状況でドラマを見られるほど俺は器用ではない。

あの後すぐ事務所に呼ばれて、マネージャー、チーフにこっ酷く話をされた。

「酔っていたとは言え、アイドルという自覚をしっかり持て」

分かっていたつもり

でもやっぱりダメなんだ。

ファンの方を悲しませてしまったことには変わりない。

Aちゃんも。

…大切な人を守りたいなんて口にするのはずっと簡単で一体、今の俺は誰を守れるんだろう。

「あ、あの！話があります…」

「また問題を起こすつもりか、」

「問題じゃないです！ただ、謝罪会見を開かせて下さい。」

俺が今しなければいけないこと。

守らなきゃいけない人。

そんなのすぐに分かる。

「俺にはAちゃんが必要や。」

「…なにブツブツ言ってるんだ丸山。控え室にみんなもう来てるぞ。ちゃんと説明して来い！！」

「……わっ！」

2人に背中を押されて、頭の上がクエスチョンマーク、

「全員で、するんだろ？」

俺を応援してくれる人はこんなに身近にいたんだ。

メンバーにも、ちゃんと話さなきゃやな。

上手く、話せるか不安なんやけど…

「はい！行って来ます！！！」

俺はまだ見たことの無い世界への扉を開けた。