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「一日中ここにいなくちゃいけなくて暇だから、話し相手になって」
彼は口角だけをちらりとあげて笑いながらそう言った
「名前、何?」
私の返事も待たずに話を進めているけど、
『A』
どうせ、私も暇だし、このよく分からない人と話すのも、悪くはないかな、そう思った
「俺、ユンギ。」
それが、ユンギと初めて話した日のことだった
その日、ユンギは私に、私の学校生活について聞いて、でも自分のことは全然話そうとしなくて、
私の面白みもない高校生活の話を、
楽しそうじゃん、
そんな風に言うから、やっぱりよくわかんないやつ、またそう思った
ユンギは部屋の中から、私は塀の外から話すから、距離があったけれど、
人と話すこと自体久しぶりで、ちょびっとだけ、楽しかったかも
「明日も来いよ」
空も赤くなったころ、帰ろうとする私にユンギはそう声をかけた
『暇だったらね』
わかった、と言うのは何だか嫌で、そう言った
ばいばい、なんて、そんな言葉もなく、急いで坂を下った
.
警戒心が強いのに、距離の詰め方が急で。
.
やっぱりタマみたいな、
猫みたいなやつだったな。
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Yellow8938(プロフ) - 朝早くからすみませんいつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2022年1月11日 6時) (レス) @page33 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺夢 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ki5tm9?s=21
作成日時:2021年11月19日 1時