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「海行くぞ」
私の話を黙って聞いていたと思っていたら、ユンギは突拍子もないことを言い出した
『え？』
「いいから」
そうやって床に座り込んでいた私の腕を掴んで、ぐい、と引っ張る
そんな細い腕のどこに力があるのか、私は軽々と立ち上がらされた
そのまま窓の方へずんずんと進んで、
ユンギは乗り越えた
十数年も閉じ込められていた彼の天国から、檻から、
軽々と、抜け出してみせた
『え、なんで、ゆんぎ、』
何も分からない私の腕をそのまま引いて、彼は一気に坂を駆け降りていく
私も、ユンギも、靴なんか履いてないし、ゴツゴツとしたアスファルトで足が痛かったけれど、そんなのもお構いなしに、走った
.
「はぁ、はぁ、」
『大丈夫？』
坂を降り切って、堤防までやってきた頃には、ユンギは息が上がっていた、当然だ、外に出たのは何年振りだろうに
『外、出ていいの』
「さあ、ばれたらどうなることか」
ユンギはけらけらと笑う
「ほら、見ろよ、綺麗」
ゆんぎの指差す方を見ると、果てしなく広がる海に、月やら星やらが反射して明るく光っていた
.
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Yellow8938(プロフ) - 朝早くからすみませんいつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2022年1月11日 6時) (
レス) @page33 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺夢
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ki5tm9?s=21
作成日時：2021年11月19日 1時
