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「じゃあね」
そう呟いたテヒョンが教室から出ていってから、しばらく経ったと思う
額にじんわりと滲んでいた汗を手で拭った
清々しさなどない、気分は寧ろ重かった
『、あつい』
長袖のままの制服では暑い時期になったらしい
.
ユンギと出会って3ヶ月が過ぎようとしていた
『やっほ、ユンギ』
「おう」
窓からジャンプして入る私をユンギが抱き止める
この距離感はもはや日常になった
『はい、今日はシュークリーム買ってきた』
「お、やった、一緒に食べようぜ」
『うん』
嬉しそうに微笑んで、お皿をとりに行くユンギも、それを定位置に座って待つ私も、全部、日常。
「うまっ」
『おいしいね、これ』
全部、何も変わっていっていないはずなのに
"最近おかしいよ"
「A、どうかしたか」
『いや、なんでもない、なんでこんなにおいしいんだろうって』
「だよな、なんか隠し味でもあんのか」
テヒョンのその一言が、妙に引っかかっていた
『カレー粉とかかもね』
「まじ?」
『適当だけど』
「おいㅋㅋㅋㅋ」
.
.
.
でも、おかしくたって構わないとさえ思う。
私にとってはユンギといるこの時間が、1番息ができるから。
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Yellow8938(プロフ) - 朝早くからすみませんいつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2022年1月11日 6時) (レス) @page33 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺夢 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ki5tm9?s=21
作成日時:2021年11月19日 1時