ひと息の旋律（YG） (ページ19)

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『どうしたの？』

視線を向けて見せてそう尋ねると、

「課題、一緒にしてくれない？」

少し困ったような顔をしながらテヒョンはそう言った

それを言うのに戸惑ったのだろうか

『いいよ、ここでする？』

「ここらへん、カフェとかないの？」

『いくつかあると思うけど』

「じゃあそこで！」

面倒臭い、と思わないこともないけれど、にこりと笑って言うテヒョンに絆されて頷いてしまう

.

.

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_カランカラン

涼しそうな音が鳴って中へと入る

「いらっしゃいませ」

にこりと笑いかけていう女性の店員さんの視線がテヒョンの顔で止まったのを感じながら、私たちはこのあまり大きくはないカフェの1番奥の席へと足をすすめた

『なんにする？』

「Aのおすすめは？」

『ブレンドコーヒー』

「げー、俺コーヒー飲めないんだよね」

飲んでもいないのに苦そうな顔を作りながらテヒョンは言った

『あ、でもこのミックスジュースもおすすめ』

「じゃあそれにする」

.

注文してしばらくして、届いた飲み物を口へと運びながら、私たちは課題を広げた

ふと、集中が切れて、顔を上げると、真剣にノートに書き込んでいるテヒョンの顔が眼前にあった

しばらく眺めているのに気がつかない

全部のパーツが計算し尽くされたかのような綺麗な顔。毎朝鏡で見る自分の顔と比べて、同じ人間だとは思えないほどだった

「そんな見られたら恥ずかしい、」

ぽつりと低い声で呟いたテヒョンが頭を上げるものだから、30センチの距離で目が合う

目があった瞬間、少しだけどきりとして、だけどすぐにその透明な瞳に引き込まれる

「ほら！集中して！」

私の目の前で手を振るテヒョンに我に帰って、私はまた視線をノートへと下ろした