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__3月


その時の私は、学年末に思い出をつくろうなんていうそんな集まりにも、

受験生になるんだ、そんな耳にタコができそうなくらいに聞いた先生たちの言葉にも、

忘年会という体で夜の街に繰り出し、臭い香水の匂いを纏いながら朝方に帰ってくる父親にも、

私の前ではそんな父の悪口を言いながらも、本人には何も言わずに嘘くさい笑顔を浮かべる母親にも、


全部にうんざりしていた。




 

学期末で授業も自習や進路の時間なんかが増えて、

そんなの特に受ける意味もないし、そわそわと浮き立つ教室の雰囲気が何となく気持ち悪くて、



午後3時

通学路にある海の防波堤に、寝転んでいた

着込んでても少し肌寒いけど、その感覚は嫌いじゃなかった





三代都市圏とかいう言葉には縁すらないような、小さなこの町には、お父さんが地方に転勤になった2年前、家族で引っ越してきた


高校入学と同時に転勤、というだけまだましかもしれないけれど、そもそも大学進学が楽な都市の高校に残って行った方が良かったんじゃないか、何度もそう思った


だけど、乗り気な父に、私も、母も、何も言えなかった







男尊女卑を具現化したような私の家庭は、父が全てで、私も、母だって、父に反対することは、許されなかった


逆らったからと言って、暴力を振るわれたりするわけじゃないけど、

専業主婦の母も、未成年の私も、今は父がいなきゃ生きていけないのは事実で、結果何も言えないと、そういうことだ


こんな家、さっさと出てしまいたい。

中学生のときか、もっと前からずっとそう思ってる







話が逸れたけど、そんな理由で転校してきた高校は、小さな街だけあって、メンバーはほとんど小学校から変わらない幼馴染たちで、別に友好的でもない私は、疎外感とぎこちなさを感じたままもう2年

だけど、まあ別に友達とか、どうせ大学で別れてしまうそんなの、いらないし。

転校する前の学校の子達は、ずっと友達だよ、とか、

手紙送り合おうね、とか言って、住所を教え合ってたけど、すぐに疎遠になった


そんなもんだよね

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Yellow8938(プロフ) - 朝早くからすみませんいつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2022年1月11日 6時) (レス) @page33 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺夢 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ki5tm9?s=21  
作成日時:2021年11月19日 1時

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