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. (加筆) ページ9

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…はじめは、本当に些細なこと。

春。

洋平が教室に忘れていったスパイクをさきちゃんが慌てて追いかけて渡した。

本当にそれだけ。

でも、それがいけなかった。

それがきっかけか、そうじゃないのかはわからないけど、
衣替えする頃には、2人が仲が良いのは明白だった。

それを洋平が好きなのに話しかけられない女子たちは許せなかった。

付き合っているわけでもないのに、有る事無い事言って…

いじめはエスカレートするもの。


マンガでしか見たことないような内容だった。


夏が終わる頃、

さきちゃんは学校に来なくなった。





『それは…』

よ「そう、さきは何も悪くない。…さきが学校に来れなくなるまで何も知らなかった俺が悪い」

『洋平だってっ…!なにもわるくない…っ!』

よ「…悪いよ」

助けられなかった、責任。

洋平はそれから毎日さきちゃんの家に授業のノートを届けに行った。

よ「さき、また学校に来られるようになったんだけど、2年の間は教室に来ることは絶対なかった」


『ねぇ…、なんで、付き合ったの?』


聞きたくない。一番、一番聞きたくない。

聞きたくないのに聞いてしまうのは

君の全てを知りたいから。



よ「…好きだからだよ」


ああ、なんて残酷なんだ。

私が2年間で築き上げた砂の城は音を立てて崩れていく。

脆い。
すぐに崩れてしまう。

その程度の気持ちだったのだろうか。

今ではよくわからない。

ただひとつわかることがあるとしたら、今まで告白されたことがあるのに、誰とも付き合ってこなかった洋平が好きになった人が、
たった1人好きになった人が、さきちゃんだということ。

私ではないのだ。

私がどれだけ欲しくても、手に入らなかった洋平を、さきちゃんはいとも簡単に手に入れた。

…その考えがいけないのだろうか。
好き以上に、欲しい。その独占欲が。

独占欲でしかなかったのだろうか。

私は洋平に、好きになってもらう努力なんて、していなかったのだ。



それから用事を思い出したと、逆に方向に帰った。

はぁ。とため息が出ると目の前に誰かたちはたがる。
重い首をあげた。

と「なにしてんの」

『……こっちのセリフだよ』

と「違くて。なに泣いてんの」

え?と聞く前に雫がポタリと地面に染みを作っていた。

涙…
もう悲しいとか、悔しいとか、わからなくなってた。

と「泣くな、泣くな」

そう言って頭を撫でてくれる。


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設定タグ:はじめしゃちょー , はじめしゃちょーの畑 , YouTuber   
作品ジャンル:恋愛
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なぁ(プロフ) - ノアさん» ノアさんこんな古い作品を読んでいただいてありがとうございます…自分の中でかなり挑戦した話なので、そう言って頂けて嬉しいです… (2020年3月15日 23時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - これ……………………繋がってたんですね……ウワァ………………やられました、脱帽です、ありがとうございました。あなたの言葉の選び方、比喩、情景、全て大好きです。 (2020年3月15日 20時) (レス) id: 482604c455 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 最後は本当に納得のいく作品を書きたくて、ゆっくり書いてしまっておりますが、どうか引退まで気長にお待ちください!本当にありがとうございます!! (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 初めて書かれる感想が私の小説であることを嬉しく思います泣 しかもこんなにたくさん…!!本当に嬉しいです!私の小説は私の経験2%くらい配合されておりまして、人生で印象に残ったシーンが度々出てきたりして、私の思い入れも強い作品が多いです! (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - 本当にありがとうございました。少しでもこの感情が伝わっていれば、、幸いです。また、こちらに戻ってくる日があれば楽しみにお待ちしております。では。(長文失礼致しました) (2019年4月29日 12時) (レス) id: 1b690e4942 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぁ | 作成日時:2018年12月22日 5時

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